ラグビートップリーグは15日、第10節7試合が行われた。大阪・近鉄花園ラグビー場では、前年度王者のパナソニックが昨季4強のトヨタに31−27で勝利。前半をリードされながら逆転、戦績を9勝1敗とした。勝ち点「4」を獲得し、総勝ち点「43」で前節に続き2位をキープ。敗れたトヨタは5連敗を喫するも点差は7点差以内で、4トライ以上獲得していたため、勝ち点「2」をマークした。3勝7敗で総勝ち点を「19」とし、10位となった。
前半はトヨタが持ち前の推進力を見せ、9分にWTB久住辰也、14分にNO8菊谷崇がそれぞれトライ。SOスティーブン・ブレットのゴールは2本とも失敗も、0−10とした。パナソニックは、18分にタッチライン際を快走したWTB北川智規が、26分にはトヨタ陣ゴール前左ラインアウトからのモールでFL西原忠佑がそれぞれゴールエリアに飛び込んだ。FB田辺淳のゴールも1本決まり、スコアは12−10となった。
29分にはCTBスティーブン・イェーツの走りでトヨタが再逆転も(ゴール成功で12−17)、33分にFB田邉のペナルティーゴール(PG)で差を詰めたパナソニックが後半、ペースを掴んだ。堅実な守備とキックでエリアを支配し、6分、17分、30分とFB田邉がPGを決めた。15分にはトヨタSOブレッドもPGを成功させたが、17分以降はパナソニックが終始リードした。33分には途中出場のSOマイク・デラーニがビッグゲインでチャンスを作り、FL西原がこの日2本目のトライをマーク。37分にはWTB久住がこちらも2度目のインゴール突入となったが、反撃はここまでだった。
勝ったパナソニック中島則文監督は、「前半はエリアを取れず、私たちの展開ができなかった。選手たちが修正して後半、得点に結び付けてくれたのは評価できると思います。ルースボールなど、ボールへの執着はトヨタが上回っていましたが、(パナソニックは)粘り強くディフェンスしていた」と語った。敗れたトヨタ朽木泰博監督は、「今季は歯車が噛み合わないなかで、個々が力以上のものを出そうとしていた。今日はシンプルに前に出る意識で臨みました。いま持っている力はぶつけることができたと思います」。連敗にも光明を見出していた。マン・オブ・ザ・マッチには、パナソニックSH田中史朗が選ばれた。
花園では他に、NECがヤマハを23−19で制し勝ち点「4」を獲得。7勝3敗で総勝ち点を「36」とし、4位で終えた。ヤマハは勝ち点をこの日獲得の「1」を含め「27」とし、5勝5敗の8位となった。
東京・秩父宮ラグビー場では、首位のサントリーが近鉄に43−26で勝った。勝ち点は「5」を加え「46」とし10戦全勝、依然トップで走る。この日「1」を加え勝ち点「29」となった近鉄は、6勝4敗で6位。また秩父宮ではリコーとNTTコムが33−33でドロー、それぞれ勝ち点「3」を加算した。5勝1分4敗となったリコーは勝ち点「28」で7位に、4勝1分5敗のNTTコムは勝ち点「22」で9位となった。
鹿児島・鴨池陸上競技場では、コカ・コーラWがNTTドコモ相手に23−11で今季初勝利、勝ち点「4」を加算も、1勝9敗で総勝ち点「7」と依然最下位のまま。NTTドコモは勝ち点を挙げられずトータル「9」、1勝1分8敗の12位となった。同会場では東芝対サニックスも行われ、35−10で白星を挙げた東芝が勝ち点「5」を獲得、総勝ち点を「41」まで伸ばした。8勝2敗の3位。勝ち点を挙げられなかったサニックスは、総勝ち点「14」で2勝8敗の11位となった。
兵庫・ホームズスタジアム神戸では神戸製鋼がホンダを52−23で制し、勝ち点は「5」を加えトータル「34」とした。6勝4敗の5位。敗れたホンダは勝ち点を得られずトータル「8」のままで、1勝1分8敗の13位となった。
(文・向 風見也)