2011年ワールドカップで準々決勝敗退という屈辱的結果を味わい、新体制で再生を図るイングランド代表。暫定的ヘッドコーチ(HC)に就任したスチュアート・ランカスター氏は11日、シックスネーションズ(欧州6カ国対抗戦)連覇を目指すエリートスコッド32名を発表した。
エリザベス女王の孫娘ザラ・フィリップスさんと新婚生活にありながら、ワールドカップ中に浮気騒動を起こしてチームに悪影響を与えてしまった元主将のCTBマイク・ティンドルは落選。同じくワールドカップメンバーであるLOサイモン・ショウ、NO8ニック・イースター、CTBションタイン・ハプ、WTBマーク・クエトー、WTBマット・バナハン、FBデロン・アーミテージなども外れた。また、ジャパンラグビートップリーグでプレーしているNO8ジェームズ・ハスキル(リコー)は、日本シーズン終了後にハイランダーズ(ニュージーランド)の一員として南半球スーパーラグビーに参戦することが決定しており、選出は見送られた。2003年の世界一に貢献したスター選手のSOジョニー・ウィルキンソンや前主将のFLルイス・ムーディー、HOスティーヴ・トンプソンは代表からの引退を表明しており、チームは若返って新たな第一歩を踏み出す。
ランカスターHCはテストマッチ未経験の9名と、1キャップしか持っていない若手4名を招集した。注目は、当時19歳ながらサラセンズの司令塔として昨季プレミアシップ初優勝を成し遂げたオーウェン・ファレル。17歳でプロデビューを果たした新鋭はCTBでの起用が濃厚だが、ウィルキンソンの後継者として期待されているひとりであり、2015年の地元開催ワールドカップに向けて本格的育成が始まる。南アフリカ出身の25歳CTBブラッド・バーリットも初キャップ獲得へ闘志を燃やす。「10番」候補だったトビー・フラッドがケガで出遅れるため、SOチャーリー・ホジソン、インサイドCTBバーリット、アウトサイドCTBファレルという、サラセンズトリオがBKホットラインを形成しそうだ。ウエールズ代表入りの資格もあったNO8ベン・モーガンは遂に、イングランド代表の白衣に腕を通す決断をした。
新主将はまだ発表されていないが、2011ワールドカップに出場した25歳のFLトム・ウッドか、ハリクインズの大黒柱であるFLクリス・ロブショーが有力視されている。
シックスネーションズは2月4日に開幕。イングランドは初戦を敵地スコットランドで迎える。
<2012 イングランド代表 スコッド>
【FW 18】 (18)
Mouritz Botha (Saracens) Calum Clark (Northampton Saints)
Alex Corbisiero (London Irish) Dan Cole (Leicester Tigers)
Tom Croft (Leicester Tigers) Louis Deacon (Leicester Tigers)
Phil Dowson (Northampton Saints) Dylan Hartley (Northampton Saints)
Courtney Lawes (Northampton Saints) Joe Marler (Harlequins)
Lee Mears (Bath Rugby) Ben Morgan (Scarlets)
Tom Palmer (Stade Francais) Chris Robshaw (Harlequins)
Matt Stevens (Saracens) Rob Webber (London Wasps)
David Wilson (Bath Rugby) Tom Wood (Northampton Saints)
【BK 14】
Chris Ashton (Northampton Saints) Brad Barritt (Saracens)
Mike Brown (Harlequins) Lee Dickson (Northampton Saints)
Owen Farrell (Saracens) Toby Flood (Leicester Tigers)
Ben Foden (Northampton Saints) Charlie Hodgson (Saracens)
Joe Simpson (London Wasps) Charlie Sharples (Gloucester Rugby)
David Strettle (Saracens) Manusamoa Tuilagi (Leicester Tigers)
Jordan Turner-Hall (Harlequins) Ben Youngs (Leicester Tigers)