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3連覇を果たした帝京大SO森田主将 「しょうがない」はナシ

2012.01.10

 帝京大は最初から覚悟を見せた。キックオフの球を得るや、大人数が固まるモールでゆっくり20メートルほど前進したのだ。「これで行ける」とSH滑川剛人副将。守備とボール争奪局面での圧力で、天理大の速く巧い攻めを停滞させる。ボールを確保したら牛の歩みを見せ、時間を潰す。帝京大はそれを徹底した。開始2分で観客から野次を浴びた。が、試合2日前。常に冷静沈着なSO森田佳寿主将は、少し言葉選びに迷いつつこう語っていた。「強みと弱みを考えてプレーを選択しています。それをつまらないと言われたらしょうがな…いや、(批判は)気にならないです」。後半10分頃から、天理大は連続攻撃を仕掛けた。5点リードの帝京大は、準備通りの守りに徹した。17分、FL松永浩平が相手のSH井上大介にタックル。「(球の出所から見て)内側を押さえ、肌色の部分(パンツとストッキングの間)を狙う」。落球を誘った。
 一時は同点も39分、森田がペナルティゴールを決め15−12。2012年1月8日、東京は国立競技場で、帝京大が大学選手権決勝を制した。史上2校目の3連覇を達成した。勝った瞬間、森田は珍しくはしゃいだ。


(文・向 風見也)


 

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