ラグビーリパブリック

東福岡×東海大仰星 コミュニケーションという盾

2012.01.07

 東海大仰星は策を練った。2012年1月7日、大阪の近鉄花園ラグビー場。全国高校ラグビー大会決勝戦で、大会2連覇中の東福岡から再三、ボールを獲った。土井崇司監督によれば、「15メートルラインの外側近辺はターンオーバー(球の奪取)狙いで行きました」。グラウンド左右角の、相手のサポートが手薄になりやすい場所を事前に想定。その甲斐あって、東福岡が得意な連続攻撃をいくらか断ち切った。攻めても「ボールが前に動くとディフェンスの数は減る」と土井監督。言葉通りにテンポ良く前進し続けた後半6、27分はトライできた。得点力を示せた。
 そんな研ぎ澄まされた知恵という刀は、しかし、王者のコミュニケーションという盾は貫けなかった。
 東福岡FB藤田慶和副将は、24失点ながら守備には満足した。マークや互いの立ち位置を確認し合い、息を合わせて前に出られたからだ。「コミュニケーションを取って横、縦との繋がり(を保つこと)はマスト」。前半4分にペナルティゴールで先制した直後、インターセプトからWTB中野涼がトライを挙げ、チームは主導権を握った。盾は36−24のスコアと、史上5校目の3連覇達成をもたらした。


(文・向 風見也)


 

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