左から薫田真広アシスタントコーチ、エディー・ジョーンズHC、森善朗会長、矢部達三専務理事
日本ラグビー協会は26日、日本代表の新ヘッドコーチ(HC)にサントリーサンゴリスのGM兼監督であるエディー・ジョーンズ氏(51)が就任すると正式に発表した。今年開催されたワールドカップでジャパンを率いたジョン・カーワン氏は契約期間満了となる12月末を持って退任することが決まっていたため、日本協会は「日本代表新体制検討会議」を発足させ、後任の人選を進めていた。アシスタントコーチには、HC候補のひとりであったA代表監督の薫田真広氏(45)が任命された。
「新体制検討会議」では複数候補者のなかから4、5人に対して面接を実施し、今後4年間のジャパンを託す人物は上記2人に絞られていた。12月5日にジョーンズ氏と薫田氏は会談を行い、それについても後日開かれた新体制検討会議で確認され、体制が固まった。
契約期間は2人とも、来年4月1日から2015年ワールドカップ終了まで。ジョーンズ新HCは来年3月の国内シーズン終了までサントリーサンゴリアスの仕事に専念する。
BKコーチは未定だが、日本人が就任する予定。GMは調整中。
日本代表の新指揮官は2015年ワールドカップでの具体的な成績目標は明言しなかったものの、「すべての試合に勝ちにいくのがワールドカップというもの」と気合十分。記者会見では、2015年までには「世界のトップ10入り」という言葉が何度も飛び出した。
初采配は4月28日のアジア五カ国対抗・カザフスタン戦(アウェイ)。国内での初試合は、5月5日のUAE戦となる予定。
オーストラリア出身のジョーンズ氏は、同国の首都キャンベラに本拠地を置くブランビーズで指揮をとっていた1998年から2001年にかけて、SHグレーガン、SOラーカム、FLスミスらを中心に世界最高峰のアタッキングラグビーチームを作り上げ、2001年に南半球スーパーラグビー初優勝。その手腕が評価されてオーストラリア代表監督を任されると、2003年には地元開催ワールドカップでチームを準優勝に導いた。世界的名将であるがゆえ人脈も広く、2007年ワールドカップでは南アフリカ代表のテクニカルアドバイザーを務め、スプリングボクスの世界一に貢献した。2009年にサントリーのGMに就任、翌年からは監督を兼任し、日本選手権優勝を果たした。今季のトップリーグでは唯一無敗を続け、単独首位を走っている。
●エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ コメント
この度、日本代表ヘッドコーチに就任することになり、喜びと責任を感じています。まず、日本代表を目指す選手の皆さんには、桜のジャージーの誇りや重さを感じてもらうことが重要です。日本代表としてふさわしい振る舞いや心構えも高いレベルでないといけません。国際舞台では、日本代表として選手ひとりひとりが責任を感じて、戦ってくれることを期待しています。
また日本ラグビーには、非常にポテンシャルが高く、将来性のある楽しみな若手選手がたくさんいます。彼らの力を最大限引き出すことが、私の大きな役目です。次回のラグビーワールドカップ2015イングランド大会に向けて、日本ラグビーの目標であるトップ10に向かって頑張っていきます。皆さんの温かいご声援のほどよろしくお願い申し上げます。
●薫田真広 アシスタントコーチ コメント
今回、日本代表のアシスタントコーチに就任するにあたり、大きなやりがいとともに、大変な責任を感じています。
日本代表強化のためにこれまでの経験を活かしながら、ジョーンズヘッドコーチをサポートし、日本らしさと日本の強みを引き出せるよう、尽力していきたいと思います。
強いジャパン誕生のために、ファンの皆さまのサポート、ご声援をどうぞよろしくお願いいたします。