ラグビートップリーグ第8節は24日、各地で5試合があり、千葉・フクダ電子アリーナでは、NECがNTTコムを31−18で制し、開幕2連敗からの6連勝を飾った。1試合で4トライ以上挙げた時に与えられるボーナスポイント「1」を含め、勝ち点は「5」を獲得。6勝2敗で総勝ち点を「30」、順位を暫定4位とした。敗れたNTTコムは3勝5敗となり勝ち点獲得はならず。総勝ち点を「15」のままとした(暫定10位)。
組織的な守備を持ち味とするチーム同士の対戦、均衡を破ったのはNECだった。前半16分、敵陣ゴール前左ラインアウトからポイントを形成、ブラインドサイドをFLニリ・ラトゥ主将が突きトライを決めた。スコアは5−0となった。
NTTコムは19、22分と、相手反則から得たペナルティゴールをSO君島良夫が続けて成功させ5−6と逆転した。しかし30分、NECは再逆転した。前節18日のホンダ戦で6トライを挙げたWTBネマニ・ナドロの自陣からの突破を、FLラトゥ主将、PR猪瀬佑太が続けてサポートし、それぞれビッグゲイン。ゴール前で作られたポイントから球を受けたHO川村慎がロングパス、大外で待つFB大東功一が止めを刺した。SO田村優のゴールも決まりスコアは12−6なった。
NECは後半5分にも自陣ゴール前からの攻撃で敵陣深い位置に侵入、CTBアンソニー・ツイタヴァキが相手守備を複数人背負ってのパスを放ち、最後はWTB瀬崎隼人がゴールエリアに入った(ゴール成功)。17分にはオープン攻撃からNTTコムWTB沼尻大輝にトライされるも(ゴール失敗)、26分、敵陣22メートルエリアで相手キックをチャージしたCTB櫻谷勉がその球を自らドリブルしインゴールへ(ゴール成功)。31分にはWTBナドロが混戦から抜け出し約50メートルを走り切った(ゴール失敗)。NTTコムは36分、ゴール前左で球を受けたSO君島が逆サイドへキックパス、途中出場のFBソセネ・アネシのトライを導いたが、ビハインドを背負ったまま後半を過ごした。戦前からNECのキーマンの1人とされたWTBナドロについて、敗れた大沼照幸監督は「できるだけ彼に(キックを)捕らせてつぶすという(試合の)組み立てはしました。とはいえ、アンストラクチャーの状態でランされてしまった」と語った。
連勝中のNEC岡村要ヘッドコーチは「前半はディフェンスでバタバタしていましたが、後半はしっかり(点を)取れて選手の成長が見られたと思います」と語った。マン・オブ・ザ・マッチはNECのSH櫻井朋広。
(文・向 風見也)