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スコットランドの英雄パターソン 代表引退 欧州の巨星またひとり去る

2011.12.21

 スコットランド代表として歴代最多の109キャップを持つ万能BKクリス・パターソンが21日、ナショナルチームからの引退を発表した。1999年10月のスペイン戦で代表デビューして以来、約12年にわたって最前線で活躍し、同国選手として唯一、ワールドカップ4大会に出場(1999〜2011)。精度高い安定感抜群の右足でゴールキックを蹴り続け、こちらも同国最多のテストマッチ809得点(22トライ・90G・170PG・3DG)を記録した。2007年8月から2008年6月にかけてのパフォーマンスは特筆もので、36回連続ゴール成功という離れ業でファンやメディアから大絶賛された。



 スコットランド協会のホームページでパターソンはコメントを発表している。
 「ハイレベルの試合でプレーできる力があるうちに、引退したいと思っていた。ケガをしながらもスコットランド代表として100試合出場という大目標を達成でき、最後の試合となったワールドカップ・ニュージーランド大会のイングランド戦(2011年10月1日/イーデンパーク)は、最高の雰囲気のなかで満足のいくプレーができたと感じた。そしてワールドカップから帰国して以来、自分の去就について考え、いまがまさにその時だと思った。正しい決断だと信じている。代表ジャージーと、自分が成し遂げたことの価値を下げることだけはしたくなかった」


 

 ウエールズの英雄シェーン・ウィリアムズが今月上旬に国際舞台から去り、イングランドの天才司令塔ジョニー・ウィルキンソンも白地に咲く赤い薔薇に別れのキスをしたばかり。そして、スコットランド・ラグビー界の皇帝もあとを追うように代表引退を表明したため、ヨーロッパからまたひとつ巨星の輝きが消えることとなる。
 しかしながら、33歳のパターソンは昨シーズン中に所属するエディンバラと新たな2年契約を結んでおり、競技者人生は続ける予定。チームはヨーロッパ最強を決める「ハイネケンカップ」でプール2のトップを走っており、悲願の初優勝に向けて順調に前進している。


 

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