ラグビートップリーグ第7節は17日、各地で3試合が行われた。東京・秩父宮ラグビー場ではNTTコム対NTTドコモの「NTTダービー」と言われる試合があり、昨季から同リーグに参戦するNTTコムが今季昇格のドコモに34−24で勝った。勝ったNTTコムは4トライ以上獲得時に与えられるボーナスポイント「1」を含む「5」を加算、総勝ち点を「15」とした。戦績は3勝4敗で暫定10位となった。NTTドコモは勝ち点を得られず総勝ち点は「8」のまま、1勝5敗1分で暫定12位。
前半3分にFB栗原徹のペナルティゴール(PG)で先制したNTTコムは、序盤は相手の守りを攻略してリズムを掴んだ。NTTドコモはボール争奪局面に近い側から外へと広がるドリフトディフェンスを行っていたが、前半9分、NTTコムのCTBジェイピー・ネルはそのドリフトの逆を突き、インゴールを割った。FB栗原もゴールを決め、10−0とした。
NTTコムは11分にも、ハーフウェーライン付近で相手のパスをインターセプトしたWTB友井川拓がインゴールへ駆け抜け(ゴール成功)、30分にはネルがここでも守備ラインを破り2本目のトライを決めた(ゴール失敗)。前半、NTTドコモはSO伊藤宏明のPGの3点しか奪えなかった。ハーフタイム時のスコアは22−3だった。
後半も10分にNTTコムは連続攻撃を見せ、WTB友井川がゴールエリア左に飛び込んだ(ゴール失敗)。13分にはCTBネルが敵陣10メートルラインよりも後ろからビッグゲインを見せ、3本目を奪取(ゴール成功)。34−3。CTBネルはこの日のマン・オブ・ザ・マッチ獲得を決めた。
NTTドコモの反撃もあった。21分、敵陣ゴール前でのこぼれ球を拾ったFBミルズ・ムリアイナのトライ、SOハミッシュ・ガードのゴールが決まった。28分にはそのSOガードが、終了間際の41分にはFL鄭智弘が、それぞれ敵陣で相手守備を破りトライラインを割った(いずれもゴール成功)。それでも点差は覆らず、34−24でノーサイド。勝ったNTTコム大沼照幸監督は「ドコモのディフェンスはドリフト。そこで縦を突いて外で勝負しようと。ジェイピー(ネル)の縦は有効だった」と語り、敗れたNTTドコモ高野一成ヘッドコーチは「前半は相手のブレイクダウンが激しくテンポを作れなかった」と、攻められ続けていた試合序盤を反省した。
秩父宮ではこの日、サントリーがコカ・コーラWを87−35で制し勝ち点「5」を獲得。総勝ち点を「32」とし、7勝0敗で暫定首位を守った(敗れたコカ・コーラWは勝ち点「1」を獲得、0勝7負で総勝ち点「2」、暫定14位)。滋賀・皇子山総合運動公園陸上競技場では神戸製鋼がトヨタを21−10で破った。勝ち点は「4」を加えてトータル「22」とし、4勝3敗で暫定4位と鳴った。敗れたトヨタは勝ち点「17」のままで3勝4敗、暫定8位。
(文・向 風見也)