ラグビーリパブリック

帝京大対筑波大 「想定内」と「想定外」

2011.12.04

 今季、創部後初めて早大、慶大を同時に破り5勝1敗の筑波大と、すでに優勝していた帝京大のゲーム。2011年12月3日、熊谷ラグビー場での関東大学対抗戦A、両チームにとっての最終戦である。
 帝京大SO森田佳寿の狙いは「これまで同様、試合を通し一歩成長」することだ。結局、悪天候のためパス回しは限られ、「積み重ねたことは出し切れなかった」と森田。いわば「想定外」の展開だった。ただ、大きなFWが球を保持、常に先行し戦うなか、最後尾のFB竹田宜純が「ボールキープ」と前方に指示を出し、守備ではCTB南橋直哉がパスを狙う対面の肘に自らの腕をぶつけ、ミスを誘った。11-0。主将は「選手が考え、我慢しきれた」と語った。
 一方、筑波大の古川拓生監督は、「動き勝つ」ことを狙った。相手の力強さは想定の「以上でも以下でもない」とし、しかし、最後は敗れた。そんな矛盾する論理を、1年生FL水上彰太は端的に説明した。試合を「完敗」と振り返り、この日に限らず、本番での相手の戦いざまは「やってみなきゃわからないのがラグビー」と言うのだ。万全な準備に基づく「想定内」にも盲点あり、か。


(文・向 風見也)


 

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