ラグビーリパブリック

2016年五輪の「金」獲得と2027年W杯開催へ 大国アメリカ動き出す

2011.12.02


 


 アメリカ・オリンピック委員会(USOC)と連携して7人制ラグビーの強化を進めるアメリカ・ラグビー協会は11月30日、セブンズのトッププレーヤー23名(男子15名・女子8名)とフルタイムの契約を結び、来年1月から本格的なプロジェクトをスタートさせると発表した。厳選されるエリート23名はカリフォルニア州サンディエゴ(チュラビスタ)にあるオリンピック・トレーニングセンターの近くに住み、月給をもらいながら食事のサポートも受け、世界最高峰の施設を使って強化に励む。視野に入れているのは、2016年にリオデジャネイロで行われる夏季オリンピックでの金メダル。


 


 オリンピックで15人制ラグビーが行われていた1920年のアントワープ大会と、1924年パリ大会で連続優勝したアメリカ男子だが、現在では7人制・15人制ともに世界ランキング10位以下の中堅国である。それでも、セブンズ・ワールドシリーズ(WS)では少しずつ結果を残しており、2009年のWSアメリカ大会では銅メダル、2010年のWSオーストラリア大会では銀メダルに輝いた。
 2011−12シーズンは、セブンズWSを含めて11大会に出場する予定で、2013年セブンズ・ワールドカップの予選を兼ねた来秋の北米カリブ・セブンズでは、6大会連続のワールドカップ出場権を狙う。


 一方の女子は、1991年の第1回女子ワールドカップ(15人制)で優勝しており、2009年のセブンズ・ワールドカップでは準決勝進出を果たした強豪国。今週末にドバイで行われる「IRB 女子セブンズ・チャレンジカップ」でも奮闘が期待されており、2011−12シーズンは5大会に参戦する予定。


 


 今年2月に開催されたセブンズWSラスベガス大会はNBC(アメリカ三大ネットワークのひとつ)がテレビ生中継したことで話題を呼んだが、2005年に約6万2000人だった同国の競技人口は現在、約9万8000人にものぼる。また、2027年のワールドカップ(15人制)招致を目指し、アピールとして2023年大会の開催国に立候補する可能性が浮上してきており、スポーツ大国アメリカがラグビーに本腰を入れるのは時間の問題かもしれない。


 

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