関東大学ラグビー対抗戦Aの慶大対早大が23日、秩父宮ラグビー場で行われた。「早慶戦」と称されるこの伝統の一戦では、公式入場者数は19658人を数えた。試合は早大がバックス陣のランで慶大を終始、圧倒。54-24で勝った。
前半1分に早大WTB原田季郎が、9分には慶大CTB仲宗根健太がそれぞれペナルティゴールを成功させた。
15分、早大FL山下昴大が両チーム通じて最初のトライを挙げた。22メートルライン手前からSO小倉順平、FB井口剛志が続けざまにビッグゲイン、そこから小倉が再び前進し、ゴール前右にポイントを形成。一気に逆サイドへと振られた球をFL山下主将が内側にいたWTB原田にリターンパス。ここでできたラックの左サイドをまたも山下が駆け抜けてのものだった。ゴール失敗で、スコアは8-3。
対する慶大は20分、ラインアウトからラックを作り、その脇をHO高橋浩平が突っ込みゴールラインを割った。こちらはゴール成功で8-10。ここまでは拮抗した展開だったが、ここからは早大が流れを掴んだ。
23分は22メートルライン付近右ラックから出た球をSO小倉から受け取ったFB井口が左に大きくキックパス。WTB原田が駆け抜けた。33分には相手の落としたボールを拾ったSO小倉からパスをもらったLO芦谷勇帆が大きく突破、右のポイントから小倉、CTB布巻峻介、FB井口と左に球が繋がり、そこからリターンパスを受けたFL山下主将がラックを形成。最後は右隅にWTB中?隆彰が飛び込んだ。36分はFL金正奎がトライを獲得。ここまでゴールも全て決まりスコアは29-10となり、前半終了間際にはゴール前ラックからPR上田竜太郎が飛び込み(ゴール成功)、34-10でハーフタイムを迎えた。
後半も早大ペースは変わらず。7分に大きな展開からWTB中?が、13分には自陣からのパスの繋がりからWTB原田がそれぞれインゴールへ(ゴールはいずれも失敗)。20分の慶大PR古田哲也のトライを喫するも(ゴール成功)、31分、FL山下主将がモールを押し込み加点。36分にはSO吉井耕平のキックパスに反応したWTB原田がだめを押した(ゴールはいずれも失敗)。41分には慶大WTB児玉健太郎が左隅に手を伸ばしトライを決めたが(ゴール成功)、早大の54-24という大勝に終わった。
試合後、勝った早大のFL山下主将は「まっすぐ走る。それができたと思います」。敗れた慶大のCTB仲曽根主将は「ケイオーらしいタックルができなかった」と下を向いた。
(文・向 風見也)