ラグビーリパブリック

NECが今季初勝利 鍵はミスマッチとラインアウト

2011.11.14

 NECの前半の3トライ中の2本は、相手の細身なBKに力自慢のFWがぶつかる、ミスマッチとされる場面からのものだった。26分、敵陣深い位置の右タッチライン際で身長184センチ、体重102キロのLO浅野良太がその形で勝ち越し。28分、自陣ゴール前右側での似た状況から身長182センチ、体重101キロのFLニリ・ラトゥ主将が大きく前進、逆側のFB大東功一の追加点を導いた。CTB田村優はゲーム中、「トヨタが振り返し(片方から一気に逆側に展開する攻撃)に弱い」と気付き、幅広いラインで攻めていた。力感十分ながら開幕から2戦続けて立ち上がりに大量失点を喫していたチームが、2011年11月12日の秩父宮ラグビー場では、その強みを活かす術をグラウンド上で見つけたのだ。結果、ミスマッチを作り、前半30分まで19-8とリードした。
 後半はトヨタが一時同点に追いつくも、朽木泰博監督によれば「取りたい形では(点が)取れていなかった」。渦中、NECは相手ラインアウトを再三、奪った。浅野の読みと、「動きをシンプルにした」新人LO村田毅の跳躍で。後半32分、田村のペナルティゴールで29-26とし、今季初白星を挙げた。


(文・向 風見也)


 

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