東京・秩父宮ラグビー場で6日、関東大学リーグ戦1部で優勝を争う東海大と関東学院大が対戦し、25-22で前王者の東海大が競り合いを制した。6戦全勝で5連覇に大きく前進した東海大に対し、関東学院大は4勝2敗で優勝争いから脱落した。
小雨降るなか行われた試合は前半2分、関東学院大がキックを使ったカウンターで連続攻撃し、CTB関口諒が先制トライを獲得した。しかし敵陣で優位にゲームを進めたのは東海大で、ペナルティゴールにより3点を返したあとの20分、22メートル内で左へ大きく展開し、最後はWTB宮田一馬が逆転トライを奪った。
10-5と東海大がリードしてハーフタイムへ。
スクラムなどフォワード戦で苦戦した関東学院大だが、後半は得意のカウンターアタックでバックス陣が俊足を発揮。43分、WTB小林直哉が鮮やかなステップでディフェンダーを抜き去り反撃のトライを挙げると、50分にはセンターラインでブレイクスルーに成功し、WTB小林が連続トライで逆転した。さらに5分後、今度は右WTB渡邊昌紀もインゴールに走り込み、関東学院大が13-22とリードする。
東海大は円陣を組んで、安井龍太キャプテンが「焦る必要はない。攻めているのは自分たちだ。敵陣でしっかりプレーしていこう」とリセット。すると60分、東海大はラインアウトからの連続攻撃で右へ展開し、FB高平拓弥が22メートル外から一気に抜け、4点差と迫るトライを挙げた。ディフェンスを立て直し、しつこいタックルで相手にプレッシャーを与え出した東海大は63分に再びチャンスをつかみ、バックスの鋭角な走りとフォワードの突進でゴール前まで攻め込むと、最後はSH那須光が抜け出してゲームをひっくり返した。
逆転勝利への執念を見せた関東学院大だったが、敵陣でプレーし落ち着いていた東海大のディフェンスが再び崩れることはなく、僅差の首位攻防は東海大がものにした。
優勝の可能性を残す4勝1敗の流通経済が20日の中央大戦で敗れれば、東海大の連覇が決定。勝てば27日の直接対決で栄冠の行方は決まる。
● 東海大 木村季由 監督 コメント
去年は個人力で局面を打開できるプレーヤーがいたが、今年は攻守にわたってチームワークを高めながらやっている。忠実にプレーする選手が今年は多いので、着実に力をつけている。今日の僅差の勝利もいい経験となり、次につながるはず。だが、今シーズンは今日の試合も含めて、集中力を欠いたような時間帯が毎試合必ずある。大学選手権をにらんだ場合、相手うんぬんよりも、まずは自分たちが気を締めていかないといけない。
● 東海大 安井龍太 主将 コメント
ディフェンスで相手にプレッシャーを与えようと、全員が粘り強いタックルをやり続けることができた。しっかり前に出て、前で止めるという部分は統一できたと思う。しかし、試合中に気の抜けた場面があり、自分たちのミスから後半に3トライを奪われてしまった。勝負を決めるところの集中力も、全員がまだ足りない。修正していきたい。
● 関東学院大 桜井勝則 監督 コメント
相手の強みであるブレイクダウンで反則を出したのが痛かった。非常に残念な試合結果となったが、東海大と力差はあまりないと思う。次の試合(27日・中央大戦)で新たなスタートを切り、大学選手権につなげていきたい。
● 関東学院大 小林直哉 副主将 コメント
チャレンジャーの気持ちでこの試合に臨んだ。前に出て展開するのが自分たちのラグビーだが、東海大のディフェンスに下げられて、思うように展開できなかった。それでも4トライを獲得できたのは、ボールを持っていない選手がしっかりサポートについていたから。