ラグビーリパブリック

東芝 スタイル貫きトヨタに快勝

2011.10.31

 30日、ラグビートップリーグ第1節の3試合が各地で行われた。愛知・瑞穂ラグビー場では昨季4強同士の対戦。東芝がトヨタ相手に肉弾戦で圧倒し、36-15で勝利した。
 和田賢一新監督が「今年はFW勝負」と謳う東芝は序盤のトヨタのペナルティに対しゴールを狙わず、ラインアウトモールで勝負を仕掛けた。それが起点となり前半13分にWTB廣瀬俊朗が先制トライ(ゴール失敗)。その後も、ボールキャリアを全員がまとまって押し切る意識も奏功し、終始、攻撃し続けた。21分にはトヨタSO黒宮裕介がペナルティゴールを成功も、33分には東芝SOデイビット・ヒルがゴールラインを駆け抜け加点(ゴール成功)。ヒルは終了間際にペナルティゴールを決め、東芝は15-3とリードして折り返した。
 後半は途中出場のオレニ・アイイがSOに入り、相手守備網の隙を突くようになったトヨタ。11分に東芝FB宇薄岳央のトライ(ゴール成功)後、15分のショートパントを追いかけるランが東芝のノーボールタックルを誘い、ペナルティトライを決めた(ゴール成功)。しかし勢い止まらぬ東芝は、18分にラインアウトモールの脇から飛び出したFLスティーブン・ベイツがゴールラインを突破、さらに26分には昼のキックパスからのこぼれ球を宇薄がこの日2本目のトライを挙げた(いずれもゴール成功)。トヨタは30分、アイイが東芝守備網の裏を突いたキックからCTBスティーブン・イェーツがインゴールに駆け込んだが、反撃はこれまでだった。
 試合後、勝った和田監督は「選手には春からやってきたことをすべて出し切ろうと言っていました。これは戦術戦略(について)だけではなく、持っているものを全て出そう、と。プライドを持ってオールアウトしてくれた」と満足げに語った。一方、トヨタの朽木泰博監督は「ボールを与えすぎ、東芝の強みを引き出してしまった」と反省。「キックの種類。(今回多かった)上(へのキック)ではなく、下へ転がす相手とコンテストするキックの方が有効だった。そこの明確な指示ができなかった」と、プラン選択のミスを悔いた。


(文・向 風見也)


 

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