ラグビーリパブリック

サニックスのハイテンポに対し、リコーが要所でゆっくり戦う

2011.10.31

 ゆっくり戦う。全体的に小柄な面々が左右に球を散らし巨漢揃いの強豪を倒すサニックスと戦うなら、これが鉄則か。2011年10月29日、秩父宮ラグビー場でのトップリーグ初戦で対峙したリコーもそう感じていた。前半、藤井雄一郎監督によれば「無理に回しすぎた」サニックスに対し、リコーは守備網を整え、攻めては粘り強く継続。28-7とした。
 ややリコーの運動量が落ちた後半は、サニックスが追い上げた。相手ディフェンスの用意がなされる前にボールを振り回した。後半25分、CTB小野晃征が大きく突破し外で待っていたPR杉浦敬宏がインゴールに突入。28-26。差が詰まった。
 が、31-26となったノーサイド10分前、自陣マイボールラインアウトから、リコーは複数人が小さく固まってじっくり押す。たまらずサニックスが反則。その瞬間、一気にペースアップするリコー。SOタマティ・エリソンがだめを押した。36-26。ラインアウトの中核には、途中出場していた強豪イングランド代表のNO8ジェームス・ハスケルがいた。大物選手は、チームのプランをより深いところで理解しているかもしれなかった。ゆっくり戦う。


(文・向 風見也)


 

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