小雨まじりの大阪・近鉄花園ラグビー場で30日、2011−2012トップリーグ開幕節の「ホンダヒート対NTTドコモレッドハリケーンズ」戦が行われ、トップウェストAから上がってきたライバル2チームは互いに譲らず、19-19の引き分けに終わった。
前半1分、2シーズンぶりに日本最高峰リーグへ復帰したホンダが、FB嶋将一のペナルティゴール(PG)で先制した。序盤はNTTドコモが強力ルースFWの力強い突進などで敵陣で優位にゲームを進めたが、ハンドリングエラーを多発し、チャンスをつぶした。
NTTドコモが6-3とリードして迎えた前半25分、ホンダは敵陣22メートル内で相手SOハミッシュ・ガードのキックをNO8川添学がチャージし、そのままインゴールでボールを押さえ逆転に成功する。しかしNTTドコモは前半終了間際、22メートル内のラインアウトからFW陣がゴール前まで迫り、最後はNO8イオンギ・シオエリがトライを奪って3点リードで前半を折り返した。
後半は互いに決め手を欠き、雨によるコンディション不良もあってPGで点を取る作戦に出た両チーム。2本を決めたNTTドコモに対し、ホンダは3本成功で同点。時計は進み、試合終了を告げるサイレン後も4分間の死闘が続いたが、結局、決着はつかなかった。
昨シーズンはホンダに3戦全勝しながら、トップリーグの舞台では引き分けたNTTドコモの高野一成ヘッドコーチは、「初昇格したトップリーグの開幕戦ということもあり、1点でも多く取って勝ちたかった。経験の差もあるが、前半はプラン通り相手エリアに入りながらイージーミスでボールを継続できなかったのが響いた。ラインアウト、スクラムのセットプレーも優位に立っていただけに、残念」と悔しさをにじませ、平瀬健志キャプテンは「自陣で反則を犯すなど、規律の部分でも我慢が足りなかった。ミスからの切り替えも失敗したので、次はしっかり修正したい」と初勝利への意欲を見せた。
一方のホンダ上野三四郎監督は、「自陣で劣勢に立ちながら、1トライに抑えたディフェンスは評価できる。しかし不安定なセットプレー、ハンドリングエラーなど課題は多い」とレベルの高いトップリーグでの再挑戦に気を引き締めていた。
(文・竹中 清)