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サントリーがパナソニックとの激闘制す TL開幕節

2011.10.29

 昨シーズンのトップリーグプレーオフ決勝で戦ったパナソニック(三洋電機)ワイルドナイツとサントリーサンゴリアスが今季トップリーグ初戦で激突し(29日)、サントリーが31-26で白星スタートを切った。サントリーが開幕試合で勝利したのは4シーズンぶり。


 


 試合はパナソニックがFB田邉のペナルティゴール(PG)で先制した。その後、互いにPGを2本ずつ重ねて迎えた前半33分、サントリーは敵陣22メートル内へ入り、CTB平のオフロードパスを受けたLO篠塚が逆転トライを決めた。
 ディフェンスが強みのパナソニックだが、37分にFB田邉がシンビンとなり、少しずつズレが生じる。「アンラッキーでした。ディフェンスシステムというより、1対1の場面でゲインされ、後手後手に回ったところがあった」(パナソニック・霜村キャプテン)。



 16-9とリードし、1人多い状態で後半を迎えたサントリーは41分、サポー

トよくテンポの速い攻撃でFL佐々木がトライを獲得。49分には自陣10メートル付近でのスクラムからSOピシがブレイクスルーに成功すると、敵陣10メートルでCTBニコラスにつなぎ、そのままチーム3本目のトライでリードを広げた。
 しかし、試合運びに長ける前王者パナソニックは徐々にペースを取り戻し、53分、相手のパスの乱れからターンオーバーに成功すると、WTB北川智規が右サイドラインを一気に駆け上がり、反撃のトライを奪った。相手が世界最高峰FLスミスをベンチへ下げた直後の61分には、HO堀江がファイブポインターとなり、ゴール成功で5点差に。その後、PGを1本ずつ取り合い終盤までもつれたが、試合終了2分前のパナソニックのゴール前の猛攻はサントリーの堅守に阻まれ、逆転劇は生まれなかった。

 


 初戦を落としたパナソニックの中嶋監督は試合後、「キックオフのレシーブでボールを確保できず、リズムを作れなかったのが反省点。そこからの攻撃オプションを準備していたが、それが出せなかった。ディフェンスシステムは機能し、最後まで選手は頑張っていたと思う」と次戦に目を向けていた。
 一方、接戦を制したサントリーのジョーンズ監督は会見で笑顔を見せながらも内容には満足しておらず、「一貫性を持ったプレーができなかった。シンプルなハンドリングエラーもあり、スクラムはもう少し優位に立てると思っていただけに物足りない。がまん強さも十分ではなかった」とコメント。竹本隼太郎キャプテンは「波が来たときにシンプルなミスでチャンスをつぶし、僅差のゲームになってしまった。それでも、集中力を切らさず最後まで戦えたのはよかったと思う。フィジカル面では相手も強いが、自分たちも自信を持っている。バックローはジョージ・スミスの加入で激しい競争が生まれており、自分も刺激を受けながらやっている」と反省点を口にしながらも手応えを感じていた。



 今シーズンはワールドカップの影響で、15週間で13試合を消化するというタイトな日程。サントリーのジョーンズ監督は「開幕戦のリコー対サニックス戦を見たが、昨シーズンの中盤に位置したチームのレベルが上がっている。ハードな戦いが続くと予想されるので、選手はフレッシュな状態を保つ必要がある。コンディション調整が重要」としており、今季新加入の南アフリカ代表LOロッソウ、SHデュプレアなどをうまく起用しながら4シーズンぶりのトップリーグ優勝を狙う。


 

(文・竹中 清)


 

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