悲願のワールドカップ優勝まであと2勝と迫ったニュージーランド代表(オールブラックス)だが、SOコリン・スレイドとFBミルス・ムリアイナが準々決勝のアルゼンチン戦で負傷し、チームを離れることが10日、明らかになった。首脳陣は代役として、22キャップを持つベテランSOスティーヴン・ドナルドと、大会前の最終選考でまさかの落選となったWTBホズィア・ギアを招集し、ラグビー・ワールドカップ運営組織(RWCL)に承認され次第、正式にチームに加える。
オールブラックスは、大エースのダン・カーターが練習中の怪我でノックアウトステージが始まる前にスコッドから離脱し、スレイドが第2の司令塔として大役を引き継いだばかりだった。しかし、準々決勝の前半に左足内転筋の部分断裂でプレー続行は不可に。そして今大会終了後に活躍の場を日本(NTTドコモ)へ移すFBムリアイナは、オールブラックス史上2人目の100キャップ獲得という偉業を達成した同アルゼンチン戦で左肩を骨折したことが判明し、ワールドカップ優勝を目前にしながら、怪我でオールブラックスのキャリアを終えた。
16日の準決勝オーストラリア戦でオールブラックス司令塔が有力なのは、カーターの離脱後に追加招集された22歳のアーロン・クルーデン。小柄だが勝負度胸があり、2009年ジュニア世界選手権日本大会ではベイビーブラックスの主将として栄冠を獲得している。ドナルドがバックアップとなり、最悪の事態となればSOもカバーできるSHピリ・ウィップーの司令塔起用があるかもしれない。
オールブラックスは、主将のFLリッチー・マコウも右足の疲労骨折による痛みと戦いながら出場を続けており、満身創痍(そうい)でエリスカップを獲りにいく。