ヨーロッパ最強クラブを決める大会「ハイネケンカップ」を統括するERC(ヨーロピアン・ラグビー・カップ)とIRB(国際ラグビーボード)は5日、同大会を南アフリカで開催したいという昨季プレミアシップ王者サラセンズの申し入れを認めた。これにより、来年1月14日の「サラセンズ対ビアリッツ」戦はケープタウンで開催する方向で本格的な準備に入り、新たなファン獲得とマーケット拡大を目指す。
サラセンズには南ア代表主将のジョン・スミットがワールドカップ後に加入する予定で、ほかにもHOスカルク・ブリッツ(元ストーマーズ)、SHニール・デコック(元ストーマーズ)、SOデリック・ホーハート(元ブルズ)、CTBブラッド・バーリット(元シャークス)ら南アフリカ出身選手を13人も抱える。クラブ所有権の50%を南アフリカの団体が握っており、テクニカル・ディレクターは1995年ワールドカップ優勝メンバーである南ア人のブレンダン・フェンターが務めるなど、南ア色が強い。
楕円球の世界でもボーダーレス化は進んでおり、今年1月には中東UAE(アラブ首長国連邦)のアブダビで初めて、LVカップ(アングロ・ウェルシュ・カップ)公式試合「ロンドン・ワスプス対ハリクインズ」戦が開催され、3月末には南半球スーパーラグビー公式試合「クルセーダーズ対シャークス」戦が英ロンドンのトゥイッケナム・スタジアムで行われたのは記憶に新しい。
ハイネケンカップの南アフリカ初開催となる会場は、ストーマーズおよびウェスタン・プロヴィンスのホームである「ニューランズ・スタジアム」(収容人数約4万8000人)か、市内中心部にある2010年サッカーワールドカップの会場「ケープタウン・スタジアム」(収容人数約5万5000人)のどちらで行うかは未定。
ラグビーの目は肥えている南ア人を欧州ラグビーが満足させられるかどうか、注目が集まる。