雨のウェリントン(ニュージーランド)で25日、ワールドカップ・プールBで2位以上を激しく争うアルゼンチンとスコットランドが激突し、前回大会3位のアルゼンチンが13-12で死闘を制した。南米の雄はこれでスコットランドとともに2勝1敗となり、準々決勝進出に望みをつないだ。
負ければ予選プール敗退の危機にあったアルゼンチンは19分、主将のCTBコンテポーミがペナルティゴール(PG)を決め先制した。しかしスコットランドは、36分にFBパターソン、39分にはSOジャクソンがPGを決め、逆転で前半を折り返した。
悪天候のなか、両チームはハンドリングに苦労し決め手を欠いた。特にあとがないアルゼンチンは、SHベルガージョ、FBロドリゲスが焦りからミスを連発し、悪い流れのまま時間を浪費した。
プレースキックが絶不調だったアルゼンチンの主将コンテポーミは、後半64分にようやくPGをポストの間にねじ込み、同点。しかしその1分後、スコットランドはSOジャクソンのドロップゴール(DG)で再びリードを奪い、ラスト10分の戦いに突入する。
72分、スコットランドは途中出場SOパークスにもDGが飛び出し、6点差。しかし、73分にアルゼンチンは途中出場のFBアモロシーノが右サイドから壁をこじ開け、執念でトライを獲得。コンバージョンも決まり、ついにアルゼンチンが逆転に成功した。
スコットランドは残り1分となり、相手22メートル内でSOパークスが左足でDGを狙ったが失敗。ロスタイムに入っても果敢に攻め続けたスコットランドだったが、アルゼンチンが必死のタックルでブレイクを許さず、1点差を死守した。
これでプールCは、イングランドが3勝0敗(勝点14)でトップ。3位に転落したスコットランドは最終戦(10月1日)でその永遠のライバルと対戦し、第1回大会から途切れたことのない8強入りにすべてをかける。生き残ったアルゼンチンは10月2日、格下ながら急成長のグルジアと対戦し、自力で決勝トーナメントの切符を取りに行く。
(文・竹中 清/ウェリントン)