前半7分、反則を重ねて先制された。31分、無人の空間に蹴り込まれ、慌てて戻ったWTB遠藤幸佑が球を拾い山なりのパス、その処理に戻ったSOジェームス・アレジが故意と取られるオフサイドを犯し10分間、退場した。得点してもすぐにエラーを重ねた。HO堀江翔太によれば、80分を通し「速く(プレー)しようとする時、ミスした」。2011年9月21日、ファンガレイのノースランドイベントセンター。日本代表はトンガ代表に18-31で敗れた。4試合ある予選プールAで3連敗、チームのノルマ「2勝」には届かない。
メンバーをほぼ固めての4年間の準備、菊谷崇主将らの「平和的」な組織作りの真価は、この試合でこそ問われた。かねてからジョン・カーワンヘッドコーチが「必勝」を謳い、世界ランクは日本が13位、トンガが15位と接戦が予想されていたから。この日も奮闘したFLマイケル・リーチら、大会で通用する個性は揃っていたから。「コミュニケーションは取れている」と菊谷は言い、リーチは「一生懸命やっているけど、うまく行かなかった」。27日のカナダ代表戦(ネイピア・マクレーンパーク)に向け、問題は「けど」の間。
(文・向 風見也/ファンガレイ)