2011ラグビーワールドカップNZ大会は18日、ハミルトンでプールD「ウエールズ対サモア」の試合が行われ、17-10でウエールズが激闘を制した。これで“死の組”プールDは全チームが2試合を戦い、南アフリカが2勝0敗(勝点9)でトップに立った。サモア、ウエールズ、フィジーが1勝1敗となり、勝点差(ボーナスポイント差)でサモアが2位。ナミビアが0勝2敗で最下位となっている。
各組とも、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。
ワイカト・スタジアムに超満員の30,804人を集めて行われたこの試合、前半12分にウエールズがFBジェームズ・フックのペナルティゴール(PG)で先制した。サモアは6分と29分にFWがゴールを脅かしたがウエールズの堅守に阻まれ、対するウエールズも14分、テンポよく左サイドを攻め上がったがスローフォワードでチャンスを逸した。
前半のボール支配率と陣地獲得率はほぼ互角。パワフルアタックとハードタックル、凡ミスは少なく手に汗握る死闘。
互いにPGを1本ずつ取り合い、迎えた前半ロスタイム、サモアは相手22メートル内でのラインアウトからFWの突進などで粘り強くゴールを襲い、PRアンソニー・ペレニセが3人を振り切って遂にウエールズの強固な壁をこじ開けた。
10-6、サモアが4点リードしハーフタイムへ。
後半開始早々、ウエールズはSOリース・プリーストランドのPGがクロスバーに当たりながらも決まり、1点差。66分にもプリーストランドがPGを成功させ、ウエールズが再びリードを奪った。
流れを変えたウエールズ。逆転から1分後、肩を痛めたFBフックに替わり途中出場したリー・ハーフペニーが、自陣10メートルから左サイドのブレイクスルーに成功すると、CTBジョナサン・デーヴィスのサポートを受けて、最後はWTBシェーン・ウィリアムズが7点差とするトライを決めた。
サモアは残り時間も果敢にレッドドラゴンに挑み続けたが、同点劇は生まれず。ウエールズが今大会初勝利で、準々決勝進出争いに生き残った。
(文・竹中 清/ハミルトン)