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激戦区プールDで前回王者・南アが大きく前進 フィジーに完勝

2011.09.17

 2011年ワールドカップ最大の激戦区といわれるプールDで、前回大会覇者の南アフリカと同ベスト8のフィジーが17日にウェリントンで激突し、南アフリカが49-3で完勝した。南アフリカは初戦で欧州の古豪ウエールズも破っており、決勝トーナメント進出へ大きく前進した。
 主力のLOマットフィールド(太もも裏)、CTBデヴィリアス(肋骨)、そしてWTBハバナ(膝)を故障で欠いた前王者だが、経験豊かな兵たちは慌てなかった。
 12分、世界屈指のモンスターキックを誇るCTBフランソワ・ステインが約55メートルのペナルティゴール(PG)を決めて先制。約10分後に同点とされるが、26分、南アはWTBピーターセンのブレイクスルーをきっかけにテンポの良い攻めを見せ、最後はPRスティアンカンプが相手ディフェンダーを豪快に崩し、トライを決めた。34分にはPRヤニー・デュプレッシーが22メートル内でパワフルに前進すると、左への速攻でCTBフーリーがトライ。
 22メートル内に攻め込んでから一段と勝負強さを増す南アに対し、フィジーは高い走力で好機を作りながら、自らのハンドリングエラーと南アの堅守でゴールラインを越えられなかった。
 南アは後半49分、FLブルソーが意表を突くショートキックでCTBステインを走らせトライを取るなど、完全に勢いに乗り、SOステイン、途中出場PRムタワリラ、LOロッソウもファイブポインターとなって完勝した。
 マン・オブ・ザマッチは、攻守両面でマットフィールドの代役をきっちり果たした南アLOロッソウ。加えて、8月のテストマッチでは精彩を欠いていたかつてのゴールデンボーイ、フランソワ・ステインが、長髪をバッサリ切って臨んだ今大会で躍動していのも明るい材料だ。
 1勝1敗となったフィジーは、25日のサモア戦に敗れれば、予選通過に赤信号が点滅する。


(文・竹中 清/ウェリントン)


 

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