後半、エアポケットに陥った相手を攻め、一時は21-24の4点差と迫るも、ミスを続けた。ラインアタックを見せるなか、最後、一方向への普通のパスが繋げられなかった。9月10日、ノースハーバーでのワールドカップ初戦。世界ランク4位のフランスと戦った同13位の日本は、現実に直面した。最終スコアは21-47だった。
細部の綻びは、コミュニケーション不足によるものか。例えば、深い位置から駆け込む受け手をイメージし、パス。が、実際の受け手は出し手のほぼ平行線上にいた。「深さを保てなかった」とSH田中史朗。そのずれの解決には「コミュニケーション。一人ひとりの意識」が必要とも言った。後半25分に交代後、22失点する仲間を見て「ほとんどコミュニケーションミス。もったいない」。この日はフランスの緻密なスクラムにも苦しんだが、きっとそれは2次的な敗因でしかない。
今春から長期間かけ準備したジャパンとあって、戦い方についての「大枠」は共有されている。16日、ハミルトンでのニュージーランド戦を含めた残り3試合。今さらながら、本当の意味での絆が求められる。
(文/向 風見也)