トライネーションズ(南半球3カ国対抗戦)の第5節、南アフリカ代表対ニュージーランド代表の試合が20日、南ア・ポートエリザベスで行われ、18-5で南アフリカが今季初勝利をあげた。今大会は1勝3敗の最下位に終わったものの、ワールドカップ前最後のテストマッチで失いかけていた自信を取り戻し、上昇ムードで“本番”に突入する。
主将のFLマコウ、司令塔カーター、PRオーウェン・フランクス、LOソーン、NO8リード、CTBスミス、CTBノヌー、WTBシヴィヴァトゥ、FBムリアイナといった、主力の大半を休養させたニュージーランドが相手であり、南アフリカにとっては勝って当然の試合だった。しかし、相手を1トライ(CTBカフイ)に抑えたのはディフェンスの勝利ではなく、ボール支配率約7割だったニュージーランドの詰めの甘さに助けられたにすぎない。南アのファーストタックルに厳しさはなく、相手FBダグ、WTBトエアヴァにビッグブレイクを許すなど、守りに課題が残った。
しかしながら、ゴールデンブーツの存在を強烈に印象付けた点は大きな収穫。南アフリカのキッカーを務めたSOモルネ・ステインは、約50メートルのペナルティゴール(PG)を3本連続成功させて序盤にリードを広げると、前半32分には鮮やかなドロップゴールを決めるなど、チームの全得点を右足で稼いだ。これまで司令塔を固定できず、ランビーや、ブッチも試したデヴィリアス監督だが、戦術的キックでも安定感抜群のモルネ・ステインが南ア代表「10番」に大きく近づいた。ワールドカップで競り合いになれば、優れたキッカーは相手にプレッシャーを与え、流れを変えられる。
対照的に、厄日となったのがニュージーランドのSOスレード。前半19分、ポストほぼ正面の約35メートルPGを外すと、ハイパントキック、タッチキック、そしてパスにも精彩を欠き、エースSOカーターのバックアップとしては不安を抱かせる内容となった。
FW陣は、過去2戦と比べるとブレイクダウンが劣勢となり、次への反省点。
昨年11月から負けなしだったニュージーランドだが、7連勝でストップ。今大会通算成績は2勝1敗となり、来週27日に行われるオーストラリアとの試合が優勝決定戦となる