スティーヴン・ドナルド
昨季プレミアシップ5位のバース(イングランド)は12日、元ニュージーランド代表の司令塔スティーヴン・ドナルド(ワイカト/チーフス)と3年契約を結んだと正式に発表した。獲得については6月に表面化していたが、外国人選手の受け入れを慎重に進めるイングランド協会より待ったがかかり、ドナルドの移籍問題は宙に浮いていた。
イギリスでは移民制限が厳しくなり、外国人就業に関してはより優れた人材を求めるようになったため、イングランド・ラグビー協会も外国人選手に対してトップレベルのパフォーマンスを要求。ドナルドは、世界最強軍団オールブラックスで22キャップを獲得した一流選手であるが、過去15カ月間で一度もテストマッチに先発出場していないことや(2009年9月の南アフリカ戦が最後の先発出場。2010年の3試合は途中出場)、2010年に胸部の手術を受けていることに対して、イングランド協会は難色を示していた。
バースの必死のアピールにより、ドナルドがプレミアシップでプレーすることを認めたイングランド協会は、4つの条件を提示。「バース・アカデミーの若い選手に対してよい助言者となること」「クラブのイングランド人選手の成長をサポートすること」「バースで模範的行動をとり、選手協会の育成プログラムにおいて主要な役割を担うこと」「バースのブランド力を地元コミュニティーで高めるために貢献すること」――。2011年ワールドカップのニュージーランド代表スコッドからは落選が濃厚なドナルドだが、バースでの期待は大きい。
27歳のニュージーランド人は、イギリス内務省の移民局業務を管轄する組織(UKBA)にようやくビザの申請ができるようになり、間もなく新天地に飛び立とうとしている。