拓殖大の3年生WTB大松直人は、今年23歳。高校卒業と同時に入学した大学4年生よりも年上となるが、「別にあまり変わらないですね。もともと(部員の)皆とは仲が良いので」と柔和な笑みを浮かべる。
目黒学院高卒業の大松は、桜美林大を中退後クラブチームの強豪タマリバを経て同大ラグビー部に入部。身長は172センチ、シーズン中のベスト体重が67キロと小柄ながら、1年時にリーグ戦1部トライ王に輝いた。ブレーキとアクセルのメリハリが利いたステップを長所としている。他大学から注目されるうえチーム内でも重用されるためか、2年目の昨季は負傷続きだった。「今年は怪我のないようにしたい」と誓った。
同部は前主将のFB茂野洸輝(現NTTドコモ)、CTBニコラス・イーリー(現パナソニック)ら、昨季までの中核が相次いで卒業した。遠藤隆夫監督から「WTB以外のポジション」をとコンバートも示唆される。「1年の時から(試合に)出ているので、自分が頑張らなきゃ」と大松。入学前に回り道をしたエースにとって、今季の鍵はコンディション維持とハイパフォーマンスの両立だ。
(文/向 風見也)