23日、ニュージーランドの州代表選手権「ITMカップ」が行われ、昨年の優勝チームであるカンタベリーは地元クライストチャーチでサウスランドと対戦し、19-22で敗れるという波乱があった。この試合には、『ランファリーシールド』のタイトルがかかっており、ラグビー王国で最も権威のある盾は、列島最南端サウスランドに渡った。
ランファリーシールドとは、1902年に当時のニュージーランド総督ランファリー卿により贈呈された「盾」のことで、ボクシングにおけるチャンピオンベルトのような存在。盾を保持する“王者”は他チームの挑戦を受けなければならず、毎年、防衛と奪取の白熱戦が展開される。ニュージーランド・ラグビー協会は、1902年に最も成績が優秀だったオークランドにこの盾を与え、1904年に初防衛戦を実施。その試合でウェリントンが盾を奪取して以来、『ランファリーシールド』争奪戦は選手とファンを熱くさせてきた。1976年にNPC(ITMカップの前身)が始まる前は最も権威があったタイトルで、今なおランファリーシールドマッチの人気は高い。
盾を意識した両チームの一戦は、今季スーパーラグビーでクルセーダーズの準優勝に大きく貢献したFBショーン・マイトランドのトライなどで、カンタベリーが16-9と前半をリードした。一方、ハンドリングエラーを多発したサウスランドだったが、SOジェームズ・ウィルソンのペナルティゴール(PG)で食らいつくと、62分、SHスコット・カウワンのトライで逆転。その約5分後にカンタベリーのPG成功で同点となったが、試合終了まで残り3分となったところで、サウスランドのSOウィルソンが値千金のドロップゴールを決め、激闘をものにした。
サウスランドは2009年10月22日、50年ぶりにシールド保持者となったものの、昨年10月に防衛失敗。そのときに栄誉ある盾を奪取していたのは本日の相手カンタベリーであり、見事リベンジ成功となった。