大学ラグビー部において「縁の下の力持ち」といったイメージの強い主務。しかし、関東大学リーグ戦1部4連覇中の東海大では、この役割を務める選手がレギュラー争いに絡むケースも少なくない。今季の主務はHO川原昴。5月15日の明治大戦(●26−33/静岡・県営草薙球場)、22日の近畿大戦(○38−14/神奈川・東海大グラウンド)、29日の慶応大戦(○33−7/同)、7月3日の流通経済大戦(●28−38/神奈川・東海大グラウンド)で先発出場した。木村季由監督は同ポジションの定位置は白紙としている。
6月は教育実習で母校の東京高に出向き、ラグビー部の活動をサポートした川原は、今春から始まった主務業と選手生活の両立を「選手だから仕事をしない、というのではなく、妥協しないように。社会に出る勉強」と語る。練習後はスケジュールの確認などのため、同大教授でもある木村監督の研究室に遅くまで居残る。「夜、帰るのも遅いし、皆よりも休む時間は少ないけど、その分セルフケアを」。寮に戻ったら食事を取る。水と湯の風呂に交互に入り筋肉の疲れをクリアにする。こうしたアスリート然とした「セルフケア」により気を配っている。
(文/向 風見也)