東海大の新人WTB小原政佑は、春先から主力組の試合で先発出場を続けている。特に3日にあった流通経済大戦(●28−38/神奈川・東海大グラウンド)では2トライをマーク。守っても「遅れてくるFWと一緒に『面』で(列になって)止めるために」弧を描くようなコースを駆けるキックチェイス、危険地帯に先回りしてのタックルなど、勘のよさを披露した。
東海大仰星高時代、同校OBで元日本代表WTBの大畑大介氏(前神戸製鋼)にちなみ「大畑2世」と謳われた小原。2019年ワールドカップ日本代表選出に向け、大学時代は「身体作りを第一に」と感じ、「環境がしっかりしている」同大に入学した。入学当初は「高校だったら抜けたところを、大学生特有の腕力、激しさで止められた」など、ぶちあたるべき壁に直面した。が、周囲から「頭が良い」と評されるルーキーは、試合を重ねるごとに「大学の間合いがわかってきた」。相手をかわすことをより強く意識することで、高いレベルの試合でも持ち前のステップで前進できるようになった。「(相手を)抜けることで、(試合で)より冷静に判断できるようになって」。流通経済大戦の直後ながら、自身の足跡を明瞭に振り返った。将来の目標を聞かれれば、高校の先輩で瞬発力の光る大畑氏、パワーランナーで知られる日本代表WTB遠藤幸佑(トヨタ)の名を挙げつつ、「スピードでも抜きされる、力でもこじ開けられる、何でもできるプレーヤーになりたい」と語った。
(文/向 風見也)