昨季トップリーグ王者のパナソニックワイルドナイツが主催するラグビー祭が9日、太田市運動公園陸上競技場であった。
チャリティーオークションも開催されるなど東日本大震災復興支援という意味合いもあった同イベントでは、津波の被害を受けた岩手県釜石市を本拠地としていた新日鉄釜石のOBチームが登場。パナソニックの前身である三洋電機OBと30分×3本の特別試合を行った。
新日鉄釜石OBで同部7連覇に貢献した「ミスターラグビー」こと松尾雄治氏(成城大監督)は、絶妙なパスダミーを織り交ぜながらのランとパスで先制トライを演出した。同部の象徴である赤いジャージィでのプレーについては「27年ぶり。燃えますね」と語り、ラストパスに関しては「現役の時は相手の間合いも速いし、(自分も)その間合いでやっていたけど、『この間合いで(ボールを)離す、蹴る』というの(感覚)は今(現役時代に比べ全体の動きがスローになっていたOB戦)も同じですね」。
その後に行われた復興祈念式では、復興支援組織「スクラム釜石」のキャプテンとしてスピーチした。「ラグビーをやっててよかったなと、こんなに思ったことはありません」と、かつての仲間やライバルとの1戦の余韻を噛みしめていた。
(文/向 風見也)