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南ア人熱狂のカリーカップ次週開幕 結果が求められるキングス

2011.07.06


 


 南アフリカの国内最高峰大会である『カリーカップ』が、来週15日に開幕を迎える。1889年に始まり、世界最古の歴史を持つ大会のひとつであるカリーカップは、かつては国内の14地区協会による総当りリーグ戦が行われていたが、資金力や選手層の格差などによりレベル差は広がる一方で、今年は昨年同様、プレミア・ディビジョン8チームと、2部リーグに相当するファースト・ディビジョン6チームに分かれて行われる。
 6月末、南アフリカ協会の大会委員会は今後のフォーマットについて話し合い、2012年からリーグを再編し、最上位のプレミア・ディビジョンは6チームに減らして行うことが濃厚となった。 2012年大会のリーグ分けは2011年大会の結果が反映される予定だが、スーパーラグビーチームの母体となっている5つの協会、ウェスタン・プロヴィンス(ストーマーズ)、ブルー・ブルズ(ブルズ)、ゴールデン・ライオンズ(ライオンズ)、ナタール・シャークス(シャークス)、フリーステート・チーターズ(チーターズ)の安定度は高い。
 そこで、今年なんとしても優勝し、プレミア入りをアピールしたいのがイースタン・プロヴィンス(EP)キングスだ。EPを中心に結成される「サザン・キングス」は、南ア第6のチームとして近い将来のスーパーラグビー(南半球最強クラブ決定戦)入りを目指しており、結果が求められている。昨年はファースト・ディビジョンで優勝するも、入替戦でプレミア入りを逃したEP。しかしながら、今年6月には、『IRBネーションズカップ』に「サウスアフリカン・キングス」というチーム名で出場し、ワールドカップに出場するグルジア代表やルーマニア代表を破って優勝するなど、調子を上げている。
 チームは5日、元南アフリカ代表のFLルーク・ワトソンを新主将に指名した。指揮を執るのは、ストーマーズ(南アフリカ)、アルスター(アイルランド)、ノーサンプトン・セインツ(イングランド)でもヘッドコーチを務めた知将アラン・ソロモンズ。ワールドカップ・スコッドに選出されそうなメンバーはひとりもいないが、2部リーグで圧倒的強さを見せなければ、スーパーラグビー参入はおろか、カリーカップのプレミア入りも難しくなる。
 スーパーラグビーや代表戦の試合増加により、休養が必要なトップ選手は大会後半から出場する傾向にあり、今年はワールドカップで代表選手を欠くため、注目度の低下は否めない。それでも、南ア国内では、カリーカップ優勝はスーパーラグビーのタイトル以上の栄誉ととらえるファンも多く、今年も名勝負が期待される。


 

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