ラグビーリパブリック

パナソニック西原が初キャップ どこでも最高の動きを

2011.07.03

 「IRBパシフィック・ネーションズカップ(PNC) 2011」の初戦・サモア戦(東京・秩父宮ラグビー場)で、パナソニックのFL西原忠佑が日本代表初キャップを取得した。先月26日にあったトップリーグXVとのチャリティーマッチ出場時には「試合勘が戻ってなく、バテてた」。この日はそれを受け、「最初の40分はペース配分」も意識しつつ、後半30分に退くまで持ち味の「仕事量」をアピールした。
 この日はタックルミスが目立ったチームの戦いぶりについて聞かれれば、「僕自身は身体が小さい分(身長183センチ、体重97キロ)、下(ボール保持者の下半身)に行かないと。片足でも取れば…」。後半20分、ハーフライン付近左ラックのブラインドサイド(比較的狭いスペース。ここでは左)を突かれてトライを奪われた場面については「ブラインドサイドに(味方が)いると思って(自身は)オープンサイドに行ってしまった。声を出していたら(仲間の援護により)止められた。悔しい」と反省点を口にした。
 韓国籍を持つ。日本および日本代表への特別な思いを口にすることはない。ただ今年4月にあった代表合宿(宮崎・シーガイア)後、パナソニック所属で元日本代表のPR相馬朋和に言われた。「自分のフィールドを選んではいけない」。以降、どんな場所でも全力を尽くすよう心がけている。トップリーグ有数の職人肌FL若松大志の存在もあり、所属先ではレギュラーには定着していない西原は、「大志さんの方が(日本代表に)ふさわしい。僕もサイズが変わらないのに選ばれていることは珍しいと、チームのスタッフの人にも言われた(若松は身長183センチ、体重95キロ)」。臆せずものを言う自分の個性が受け入れられた入部2年目のパナソニック(前三洋電機)への愛着もまた、どんな場所でも持ち続ける。


(文/向 風見也)


 

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