南半球の最強クラブチームを決める「スーパーラグビー 2011」は2日、準決勝2試合が行われ、レギュラーシーズン総合1位のレッズ(オーストラリア)と、ニュージーランド・カンファレンス1位(総合3位)のクルセーダーズが決勝進出を決めた。
豪州・ブリスベンのサンコープスタジアムに4万4940人を集めて行われたレッズ対ブルーズ(ニュージーランド)戦は、WTBロッド・デイヴィーズが3本のトライを挙げる大活躍で、レッズが30-13と快勝した。
前半11分、ブルーズWTBラッシー・ムンロのパスをインターセプトしたWTBデイヴィーズが、約70メートルを疾走し先制トライを挙げた。29分には、SOクウェイド・クーパーが自陣10メートルから、ダミーと柔らかいステップで相手22メートルライン付近まで持ち込むと、サポートしたCTBベン・タプアイがトライに結びつけ、レッズが完全に流れをものにした。2003年以来8年ぶり4度目の栄冠を狙うブルーズは、前半終了間際にLOクリス・ラウリーが22メートル外から中央突破し、後半に望みをつないだ。15-7、レッズリードでハーフタイムへ。
後半は、ブルーズCTBルーク・マカリスターのペナルティゴール(PG)でスコアは動き出す。しかしその2分後(後半7分)、レッズはラインアウトから鮮やかなサインプレーを見せ、SOクーパーからの鋭いパスをもらったWTBデイヴィーズがブルーズの防御網を切り裂き、再びリードを広げた。後半16分にも、SOクーパーの妙技とWTBデイヴィーズの勝負強さが完璧に機能し、相手を圧倒。トライランキング10位内に、WTBレネ・レンジャー、FBジャレッド・パイン、SHアルビー・マシューソンが顔を並べるなど、攻撃力高いブルーズだが、レッズのハードタックルを打ち破ることはできなかった。
1996年からのスーパーラグビー史で、レッズが決勝戦に進むのは初めて。9日のホームゲームで悲願の南半球チャンピオンを狙う。
南アフリカ・ケープタウンのニューランズスタジアムで開催された準決勝第2試合は、過去7度王座についたクルセーダーズが初優勝を狙う地元ストーマーズを29-10で振り切った。昨年のファイナリストであるストーマーズは、大観衆4万8017人の前で悔しい終幕。
前半6分、ストーマーズがSOピーター・グラントのPGで先制した。敵地で早めに主導権を握りたいクルセーダーズは15分、ハーフウェイ付近で相手NO8ニック・コスターが放った不注意なパスを、WTBショーン・マイトランドがインターセプトして逆転トライを決める。その後、クルセーダーズはSOダン・カーターがPGで確実に加点。33分には、クルセーダーズのCTB陣が絶妙なコンビネーションを披露し、ソニー=ビル・ウィリアムズのオフロードパスをロビー・フルーエンが拾い、トライで点差を広げた。
それでも、南ア・カンファレンスを1位で突破したストーマーズが簡単に意気消沈するはずもなく、前半終了間際、ゴール前5メートルでペナルティチャンスをもらうと、WTBブライアン・ハバナが速攻でゴール内に飛び込んだ。23-10、クルセーダーズのリードでハーフタイムへ。
レギュラーシーズン全16試合での1試合平均失点が、ストーマーズ約16点(総失点257)、クルセーダーズ約17点(総失点273)と、守りに定評がある両チームは、後半に入るとさらにその威力を発揮する。
後半13分、ストーマーズのCTBジャック・フーリーが左隅に飛び込んだが、寸前にクルセーダーズWTBザック・ギルフォードが高性能のカバータックルでタッチライン外に押し出した。22分、ストーマーズWTBハバナが相手ゴール内へのグラバーキックで揺さぶりをかけても、クルセーダーズFBトム・マーシャルは冷静に処理。反対に、後半31分、クルセーダーズはFW陣がスクラムでゴール前まで押し込み、左への速攻でWTBギルフォードがコーナーを狙ったが、ストーマーズCTBジャン・デヴィリアスがトライを許さなかった。
結局、後半の得点はクルセーダーズSOカーターのPG2本のみ。ファイナルスコア、29-10でクルセーダーズが決勝進出を決めた。
南半球頂上決戦は、レッズとクルセーダーズの組み合わせとなった。今季レギュラーシーズンで両者は一度対戦し、レッズが1点差(17-16)で勝利を収めている。ホームアドバンテージをもらい、初優勝へ向け勢いに乗る若いレッズか、断トツの最多優勝誇る経験豊富な役者揃いのクルセーダーズか。ともに主力選手が故障から回復しており、世界最高峰のパフォーマンスが期待される。