南半球のスーパーラグビーは今週末からプレーオフが始まるが、出場各チームは中心選手の故障離脱や戦列復帰を受け、最終準備段階に入っている。
ルーク・バージェス(ワラタス)
最も苦戦が予想されるのは、5位からの逆転優勝を狙うワラタス(オーストラリア)か。今季限りで引退を表明したPRアル・バクスターが、頭を痛めて24日のブルーズ(ニュージーランド)戦には出場できない。代表25キャップのHOタタフ・ポロタナウも膝の故障で戦線離脱。SHルーク・バージェスは21日のトレーニング中に手を負傷し、野戦病院と化したチームは、スーパーラグビーを経験していない下部組織のメンバーから代役を見つけ出そうと必死だ。さらに、「10番」を着る予定だったダニエル・ハランガフが太もも裏を痛めているため、司令塔はカートリー・ビールが務めることになりそうだ。
ダニエル・ブライド(ブルーズ)
そのワラタスと対戦するブルーズは、首の故障で約3カ月間も戦列を離れていたオールブラックスのFLダニエル・ブライドがプレーオフに間に合った。本格復帰前の練習試合では、40分間に2トライを挙げる活躍ぶりで万全の状態をアピールしており、ベンチ入りが決まった。
ショーン・マイトランド(クルセーダーズ)
ニュージーランド・カンファレンス1位を決めたクルセーダーズだが、足の疲労骨折からの回復が遅れている主将FLリッチー・マコウは、ワールドカップ(W杯)も控えているため、早期復帰は求めない模様。しかし朗報もあり、5月上旬のストーマーズ戦で左足を痛め、スーパーラグビー期間中の復帰は困難と見られていたWTBショーン・マイトランドが、元気な姿で戻ってきた。チームトップのトライスコアラーの戦列復帰は、8度目の優勝を狙うクルセーダーズを勢いづかせる。また、腰回りを痛めて先週末のハリケーンズ戦を欠場していたCTBソニー=ビル・ウィリアムズも、戦闘モードに入っている。
スティーヴン・サイクス(シャークス)
6位ギリギリでプレーオフ進出を決めたシャークス(南アフリカ)は、先発候補だったLOスティーヴン・サイクスが足首と膝の故障によりフィットネステストをパスできず、決戦の地ネルソン(ニュージーランド)へ向かうことはできなかった。しかしながら、手の怪我で約1カ月間リハビリ生活を送っていたW杯スコッド候補のWTBオドワ・ンドゥンガネがプレー可能となり、BK陣は選手層が増した。
デュアン・フェルミューレン(ストーマーズ)
南アフリカ・カンファレンス1位のストーマーズは準決勝からの出場だが、台所事情は苦しい。W杯代表候補にも選ばれているNO8デュアン・フェルミューレンが、レギュラーシーズン最終節のチーターズ戦で膝を故障し、手術の結果、完治まで6〜9週間と診断された。今季スーパーラグビーの優勝争い参戦は絶望となり、W杯初出場の夢も怪しくなってきた。同じくW杯代表候補に残ったベテランSHリッキー・ジャニュアリーは手を痛めており、たとえチームが7月9日の決勝戦に進んだとしても、出場の可能性は低い。
ジェームズ・スリッパー(レッズ)
レギュラーシーズン総合1位のレッズ(オーストラリア)もプレーオフ1回戦は免除となる。だが、PRジェームズ・スリッパーが21日の練習中に足首を痛め、7月2日の準決勝は欠場が濃厚となった。チームが勝ち進んだ場合、詳しい診断の結果待ちだが、重度の怪我でなければ、その一週間後の決勝戦には間に合うかもしれない。それでも、W杯出場も期待される、万能BKディグビー・イオアネ(脳震とう)、CTBアンソニー・ファインガア(太もも裏)、WTBピーター・ハインズ(膝)、FBベン・ルーカス(膝)は回復が遅れており、他チーム同様、総力挙げてのノックアウトステージとなりそうだ。
<プレーオフ1回戦カード>
ブルーズ(NZ) vs. ワラタス(豪州)
[6月24日/オークランド、NZ]
クルセーダーズ(NZ) vs. シャークス(南ア)
[6月25日/ネルソン、NZ]