ラグビーリパブリック

20歳の天才オコナーをめぐる狂騒曲 レベルズ移籍で決着

2011.06.18


ジェームズ・オコナー



 20歳の若きオーストラリア代表BKジェームズ・オコナーが、確実視されていたウェスタン・フォース残留から一転、2010年に誕生したばかりのメルボルン・レベルズへ移籍することが明らかになった。
 15日にフォースとの交渉決裂が判明。その後、2007年ワールドカップ優勝を成し遂げた名将ジェイク・ホワイトが来季指揮をとる、ブランビーズの逆転釣り説が浮上するなど、ゴールデンボーイをめぐり狂騒が続いていたが、18日、レベルズが2年契約での獲得を正式に発表した。
 オコナーは、世界で最もタフなリーグのひとつといわれるスーパーラグビーに、史上最年少の17歳(2008年4月18日レッズ戦)でデビューを果たし、その約7カ月後には、オーストラリアラグビー史上2番目に若い18歳と126日で代表デビュー(イタリア戦)を飾った。これまでテストマッチ27試合に出場し、今年9月開幕のワールドカップで1999年以来の世界一を狙うワラビーズ(オーストラリア代表)の鍵を握るひとりと期待されている。
 レッズも獲得レースに名乗りを上げていたが、レッズに対しては移籍の意思がないことが先週早々に伝えられていた。約5カ月間にわたり粘り強く残留交渉を続けてきたフォース側とは、契約期間と年俸の両方で合意に達しなかった模様。オーストラリアの新聞『デイリー・テレグラフ』(電子版)によれば、2年契約を求めたフォースに対し、オコナーの代理人はオプション付きの1年契約を主張したという。伸び盛りのスター選手であり、年俸高騰を見越しての作戦だったと思われ、どのチームからも、1年につき少なくとも100万豪ドル(約8600万円)以上のオファーがあったとみられる。
 来季のレベルズには、オコナーの親友であり、ワラビーズのチームメイトでもあるカートリー・ビールの加入も決まっており、スーパーラグビー参入1年目は最下位に苦しんだ発展途上チームが、大きく戦力アップするの間違いない。
 西オーストラリア州パースのサポーターに愛されて4年、フォースの一員としてこれまで38試合に出場してきたオコナーだが、今月11日のレッズ戦で放った危険なタックルにより、今季のチーム最終戦(17日・レベルズ戦)には出場できず、寂しい別れとなった。


 

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