日本ラグビー協会は25日、今秋開幕のニュージーランド・ワールドカップのメンバー選考などのために行われる、合宿（6月1〜10日・宮崎）のメンバーを発表した。リストからは、アジア5カ国対抗の遠征に参加し、試合にも出ていたFB田邉淳（パナソニック）と、同遠征不帯同も、昨季トップリーグプレーオフMVPで注目度の高いWTB山田章仁（パナソニック）が揃って外れた。周辺取材によれば、当初は4月上旬の合宿に参加した選手は6月にも参加するよう言い渡されていた。田邉、山田ともそれに該当する。落選理由について、田邉はジョン・カーワンヘッドコーチから「コンタクトシチュエーション」で不満足だったと、山田は香川淳一通訳兼コーチングコーディネーターから「スキル不足」とそれぞれ告げられた。
田邉は「人間万事塞翁が馬。（ワールドカップで）オールブラックスのハカ（試合前の儀式）の前で立っているかもしれない。何が起こるかわからない」。25日のチーム練習にフル参加した。もともと合宿に向け、痛めた足首を急ピッチで治療していた山田は「なかなかうまいこといきませんねぇ」と言いながら、ワールドカップ出場への「3パーセントくらい」の可能性を信じる決意を示した。
両者が所属するパナソニックの中嶋則文監督は「チームとしては（落選した選手を）全力でサポートする」と、己の感情を抑えていた。
（文／向 風見也）