ヨーロッパのクラブおよび地域代表チームによる、ヨーロッパ最強決定戦「ハイネケンカップ」の決勝戦が現地時間21日、カーディフのミレニアム・スタジアムで行われ、レンスター(アイルランド)が33−22でノーサンプトン・セインツ(イングランド)を破り、2シーズンぶり2度目のヨーロッパ王者に輝いた。
先制したのはノーサンプトンだった。前半6分過ぎ、相手ゴール前22メートル内でのマイボールスクラムから優位に立つと、すばやい球出しと細かいパスで左サイドを攻め、FLフィル・ドーソンがトライを奪った。25分にPRブライアン・ムジャティをイエローカードで欠きながらもスクラムで圧倒するノーサンプトンは、30分過ぎ、今度は22メートル内での相手ボールスクラムでターンオーバーに成功すると、SOスティーヴン・マイラーの中央突破のあと、左への速攻でFBベン・フォーデンがトライ。38分には主将のHOディラン・ハートリーにもトライが生まれ、完全にノーサンプトンが主導権を握った。
レンスターの前半40分は、SOジョナサン・セクストンによるペナルティゴール(PG)2本のみ。ノーサンプトンが22−6と16点リードでハーフタイムを迎えた。
反撃に転じたいレンスターは後半3分過ぎ、SOセクストンのトライとゴール成功で9点差と息を吹き返す。パフォーマンスが落ちたノーサンプトンに対し、スタミナに勝るレンスターは攻撃にリズムが戻り、後半12分過ぎにも25歳の司令塔セクストンのトライとゴール成功で、ついに2点差と迫る。劣勢だったスクラム戦も、レンスターはパック力で対抗するようになり、後半15分過ぎ、相手陣10メートル中央付近のスクラムでPGチャンスをつかんだ。これをSOセクストンが確実に決め、ついにレンスターが逆転。
後半のわずか15分で完全に流れを奪われたノーサンプトンは焦りの色を隠せず、19分にFLドーソンがイエローカードもらい、1人欠く間に相手LOネイサン・ハインズにトライを追加されてしまった。
勢いに乗ったレンスターは守りでも最後まで集中力を切らすことなく、後半のノーサンプトンの攻撃を完全に封じ、ファイナルスコア、33ー22で大逆転勝利。
ヨーロッパ・チャンピオンの座に就いたレンスターは、来週末にはマグナーズリーグ決勝を控えており、2冠の期待がかかる。一方、今シーズンのハイネケンカップで無敗を続けていたノーサンプトンは、頂上決戦でついに力尽きた。プレミアシップでは準決勝で姿を消しており、熱く燃えたノーサンプトンの2010−2011シーズンは終わった。