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スーパーラグビーの南米拡大へ前進 アルゼンチン若手が南アで快進撃

2011.05.02

    


   


 南半球最強のクラブチームを決める大会「スーパーラグビー」に、近い将来、アルゼンチンのチームが参戦するかもしれない。拡大路線を続けるスーパーラグビーは、今年からオーストラリアのメルボルン・レベルズが新規参入し、15チームの大会に変貌した。新たに仲間入りを目指す南ア第6のチーム「サザン・キングス」はすでに本格始動しており、パシフィック・アイランダーズ選抜や、日本、アメリカ、アルゼンチンからの参戦も話題に上ることから、チーム数が今後さらに増える可能性は高い。


 


 問題は、スーパーラグビー参入を目指すチームの実力だが、2007年ワールドカップで3位に輝いたアルゼンチン代表は、2012年から南半球の国代表戦「トライネーションズ(フォーネーションズ)」に加わることが正式決定している。世界トップ3のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカにガチンコ勝負を挑む実力は、十分あると認められた。アルゼンチン代表のトップ選手のほとんどはヨーロッパでプレーしているのが現状だが、実は、南米にも優れた若手が多数いることが証明されつつある。「パンパスXV」という、アルゼンチンの若手主体で編成された選抜チームがいま、南アフリカの大会で快進撃を続けているのだ。


 


 現在、南アフリカでは「ヴォダコムカップ」という国内選手権大会(16チーム参加)が佳境を迎えている。南ア国内の一流選手がスーパーラグビーでプレーしている期間、2軍レベルの若手選手たちはこの大会で心技体を磨き、スーパーラグビーへの招集を待っている。もちろん、復活を目指す元南ア代表選手たちもおり、かつてボーランド・キャバリアーズに在籍していた元日本代表WTBの四宮洋平も、ヴォダコムカップでプレーしていた。


 


 その大会に、2010年からアルゼンチンの選抜チーム「パンパスXV」と、ナミビアの選抜チーム「ウェルウィッチアーズ」が参戦しているのだが、2年目の挑戦となるパンパスXVは今年、強豪ウェスタン・プロヴィンスやシャークスなどが集う南部セクションを8戦全勝のトップで通過し、4月29日に行われたプレーオフ準々決勝では延長の末、スーパーラグビー経験者を多数含むフリーステート・チーターズを、41−34で下した。



 悲願の初優勝まであと2勝。2軍レベルの試合とはいえ、ラグビー大国を自負する南アフリカで、国内タイトルの栄冠がアルゼンチンチームに輝くことになれば、スーパーラグビーが南米市場にまで拡大する話は、真剣味を帯びてくる。

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