ラグビーリパブリック

W杯に向けいよいよ船出する日本代表 アジア5カ国対抗で香港と激突

2011.04.30


記者会見で決意を新たにした日本代表と香港代表の監督・キャプテン


 


 


 30日の決戦を前に日本代表と香港代表の記者会見が行われ、ジョン・カーワン日本代表ヘッドコーチは、「2011年ワールドカップに向けた大事な一戦としてだけでなく、3月の地震と津波で被災した日本国民に勇気を与えるためにも、今季最初の試合にすべてを捧げる」と決意を新たにした。
 2008年に始まったアジア5カ国対抗で一度も負けていない日本は、宮崎合宿で取り組んできた新しい戦術システムを試す絶好のチャンス。昨年の開幕戦では立ち上がりの悪さが課題として残ったため、格下相手とはいえ、前半40分の戦い方にも注目が集まる。また、初キャップとなるLOジャスティン・アイブス、SH日和佐篤、FB上田泰平のパフォーマンスにも期待は大きい。
「アジアのなかでも香港はタフな相手であり、強いプレッシャーをかけてくる。日本代表選手がそれにうまく対処することを望む」と、伝説的な元オールブラックスWTBであるカーワン監督は語った。「勝ち負けは心配していないし、得失点差も重視しない。大事なのは、我々がいかにプレーするかだ」。
 9月開幕のワールドカップまで、日本は10試合を予定している。アジア5カ国対抗で4試合、パシフィックネーションズカップで3試合、そしてイタリア、アメリカと1試合ずつ戦ったあと、6月24日には東京でチャリティーゲームとして世界選抜戦が計画されている。
「日本国民は、最悪の悲劇に見舞われながらも、復興に向かって勇敢に立ち上がる姿を見せてくれている。その姿勢を、選手たちはラグビーフィールドで示してほしい」と話す指揮官の言葉には熱がこもっていた。
 対する香港は、FWの数人を故障で欠くが、ほぼベストメンバーで日本戦に挑む。ダイ・リーズ監督は「バックラインは過去4年間で最高の布陣が整った。ボールを確保できれば、何度か相手にダメージを与えられるだろう」と抱負を述べた。敵地で迎えた開幕戦はカザフスタンに快勝、と勢いがあり、地元での今季初戦にも気合が入る。
 なお、今大会の特別協賛であるHSBC(世界最大級の金融グループ)は今年1月、アジア5カ国対抗のスポンサー契約を新たに3年間更新しており、今年後半に予定されているアジア・セブンズシリーズのスポンサーも務めることが明らかになった。アジアラグビー界のますますの発展が期待される。


 



2011年ワールドカップに向けていよいよ日本代表が船出する


 


 


(レポート・写真協力/アジアラグビー協会)

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