カザフスタン戦で歴史的初勝利を挙げたUAE
現地時間29日にアブダビで開催されたHSBCアジア5カ国対抗ラグビーで、UAE(アラブ首長国連邦)はカザフスタンを24−10で破り、歴史的1勝を挙げた。昨年までアラビア半島共同体で構成されていたアラビアンガルフが解散し、UAEは単独国として歩み始めたばかり。この勝利が、彼らにとっての第1勝目となった。UAEは2試合を終えて1勝1分とし、最大の目標であったトップ5残留は現実味が増してきた。
UAEは自慢のFWを武器に試合を優位に進め、前半16分にSOジョナサン・グラディのペナルティゴール(PG)で先制すると、その後一度も相手にリードを許さなかった。カザフスタンはホームでの開幕戦(対香港)に敗れたプレッシャーがあり、その試合で2人の主力選手をレッドカードで欠いたことも大きく影響。さらに先発候補のPR選手がビザの問題でチームに帯同できず、弱体化したFWは、UAEのベテラン陣に翻弄されてしまった。
19分にUAEがPG成功でリードを広げると、カザフスタンはWTBセルゲイ・コネフのトライでようやく反撃開始。しかしその4分後にはUAEのタイトヘッドPRムニブ・ハダッドにトライが生まれ、39分にもPGで再び加点したUAEが14−5で前半を折り返した。
後半も最初に点をとったのはUAEで、結局、風向きは最後まで変わらず。後半35分にカザフスタンはSOドウルト・アキュンベコフのトライで意地を見せたが、24−10でUAEが勝利を収めた。
「最高の気分だ。UAEの名のもとで初勝利を挙げることができ、一所懸命作り上げてきたチームを誇りに思う」とUAEのブルース・バートウィスル監督。次節は休養となるUAEは1勝1分と波に乗っており、5月13日にドバイで開催される日本戦は全力プレーが期待される。そして最大のターゲットを最終節の香港戦に定め、初のアウェー勝利に燃えている。
一方、2敗目を喫し、トップ5残留にあとがなくなったカザフスタンはこの後バンコク(タイ)に飛び、次週は日本と戦う。
暫定的ではあるが、2試合を終えて勝点8としたUAEが首位に立った。
UAEのFLレニー・エルスは見事な突破力を見せた
(レポート・写真提供/アジアラグビー協会)