大学選手権2連覇中の帝京大には今季、昨季の全国高校ラグビーで光った花形選手が数多く入部。なかでも大阪朝鮮高の権裕人は、身長182センチ、体重93キロの大型CTBとして入学前から話題を集めていた。選手寮で同部屋のSO森田佳寿主将によれば、「まだ緊張や遠慮もあると思うけど、気さくに話もしてくれて、部屋ではよく寝ています」。新しい環境にもなじんでいるようだ。
岩出雅之監督は「土地に慣れて、(大学)生活の流れを覚える。その辺が安定して始めてラグビーも安定する」と、入寮したてのルーキーには心身とも万全のケアを施したいと考える。「メインをこっち(ラグビー部)に置くのは夏から」と全新入部員に伝え、シーズン中も「超高校級」とされた選手を酷使しないよう心がけている。権に関しても長期的視野で見つめるが、「(1年目から飛躍の)可能性はある」とも認めた。
本人は「試合で先輩が格好よかった。試合でのFWの動き方、(攻撃の)サイン…。結束されているのが見てわかった」と、高校2年時の冬頃から同大進学を希望していた。「(練習は)メッチャきついけど終わったら達成感があります。しっかり身体作りをして(1年目から)Aチームに絡めたらいいと思います」と、故郷の言葉で充実ぶりを口にした。
(文/向 風見也)