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ワラタスの看板選手カートリー・ビール 2年契約で来季からレベルズに移籍

2011.04.14

     


メルボルン・レベルズ                           カートリー・ビール


 


 今シーズンから世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」に参入したばかりのメルボルン・レベルズ(豪州)は14日、オーストラリア代表の若きスターFBカートリー・ビールと来季からの2年契約を交わしたと公式に発表した。
 現在、シドニーのワラタスに所属するビールはチームの看板選手であり、突然の移籍発表にオーストラリアラグビー界には衝撃が走っている。優勝候補のワラタスは現在、オーストラリア・カンファレンスで2位と好調。ビールはこれまでの全7試合で先発として活躍し、チームから不協和音は聞かれなかった。
 ラグビー情報サイト『RUGBY HEAVEN』によれば、レベルズは少なくとも1シーズンにつき40万豪州ドル(約3500万円)以上のオファーを提示したとみられ、ほかにもオーストラリア協会との契約金や代表としての出場給・勝利給なども合わせると、ビールは22歳の若さでミリオン・プレーヤー(約8800万円選手)となる可能性が出てきた。伸び盛りのヤングスターをめぐっては、同国西部パースに本拠地を構えるフォースや、ラグビーリーグ界(13人制)のサウスシドニー・ラビットーズも獲得に動いていたが、グラウンド外でも重要な役割を求めたレベルズがビールの心を動かしたといえる。レベルズは本拠地メルボルンに存在するアボリジニ(先住民)コミュニティーとの関係も大切に考えており、アボリジニの血を引くビールは親善大使的役割に意欲を見せているという。
 また一部報道によれば、レベルズの目玉選手としてイングランドから加入したばかりの風雲児ダニー・シプリアーニは、今季限りでチームを離れるのが濃厚といわれており、ビールのレベルズ移籍は各方面に影響を与えそうだ。
 ビールは2007年、18歳でスーパーラグビーデビュー。オーストラリア史上最高の逸材と注目を集め、私生活では無免許の飲酒運転で処罰されるなど、ルーキーイヤーから大物ぶりを発揮した。伸び悩んだ時期もあり、ラグビーリーグへの転向も噂されたが、2009年にはオーストラリア代表のゴールドジャージーに身を包むほど成長し、2010年になると才能は大きく開花。昨年のオーストラリア代表全14試合のうち13試合に出場し、7トライを記録するなどの活躍で、IRB(国際ラグビーボード)の年間優秀選手にノミネートされた。

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