現地時間10日、ハイネケンカップ準々決勝の残り2試合が行われた。
まず、昨年のベスト8であるノーサンプトン・セインツ(イングランド)が、1998−99年の優勝以来12年ぶりのプレーオフ進出となったアルスター(アイルランド)と対戦。
互いにブレイクダウンからの球出しが速く、スピード感があった前半戦は、どちらも1トライずつ挙げ、ペナルティーゴール(PG)の差でアルスターが3点リードで前半を折り返した(13−10)。
後半8分にPGで追いついたノーサンプトンは、その6分後、クイックスローから鮮やかなカウンターアタックを見せ、見事なサポートプレーで左サイドを細かくつなぎ、SHリー・ディクソンにトライが生まれた。
その後もスクラムで優位に立ったノーサンプトンが大崩れすることもなく、23−13で勝利を収めた。
準々決勝最後の試合、ビアリッツ対トゥールーズ戦(ともにフランス)は昨年の決勝と同じ顔合せとなった。
前半15分、トゥールーズはFBセドリック・エマンスが敵陣10メートルラインから一気に抜け出し、鋭いステップで相手ディフェンスを翻弄、先制トライを決めた。36分には、SHニコラ・ベズィの絶妙なハイパントからWTBマキシム・メダールのトライも生まれ、トゥールーズが17−0で前半を折り返す。
後半に入ると、雨の影響もあり、ビアリッツはSHディミトリ・ヤシュヴィリのブーツで着実に得点を重ねる作戦をとり、PG4本で5点差に迫る。
すると焦りが見え始めたトゥールーズは後半30分、CTBフロリアン・フリッツがイエローカードをもらい、14人で戦うピンチに。ビアリッツはこの好機を逃さず、残り2分の場面で、相手陣内でのキックチャージからWTBイリケナ・ボラコロのトライで同点とした。ゴールが決まれば奇跡の逆転劇だったが、ポストを外れ、10分ハーフの延長戦へ。
延長前半2分、トゥールーズがPGで先行。延長後半7分、ビアリッツはPGで同点。
そして、最後のドラマのきっかけとなったのは、またもやキックチャージだった。リスタート直後、自陣深くでボールを処理しようとしたビアリッツSHヤシュヴィリのキックを、途中出場のトゥールーズFLヤニック・ニアンガが、先ほどのお返しとばかりに見事なチャージを見せ、自らボールを確保して決勝トライを奪った。
ファイナルスコアは27−20。100分間の激闘を制した王者トゥールーズが、準決勝への最後の切符を手にした。
準決勝の組み合わせは以下のとおり。
<準決勝 組み合わせ>
レンスター(IRE) − トゥールーズ(FRA)
〔4月30日/ダブリン、アイルランド〕
ノーサンプトン・セインツ(ENG) − ペルピニャン(FRA)
〔5月1日/ミルトンキーンズ、イングランド〕