大学選手権2連覇中の帝京大は3月25日、東日本大震災以来休止していた全体練習を再開。まずは昨季同様、前年度のチームに近づくことを目標にトレーニングを重ねている。
昨季について岩出雅之監督は、「スタンダードとしてディフェンス、タックル力、ブレイクダウンが良かった。それを粘り強く繋げていくことで相手に得点をさせなかった」と強みを分析。攻撃では、秋のリーグ戦形式の対抗戦時はたくさんボールを回すよう試みたが、トーナメント方式の大学選手権に際し「ボールを動かす幅を変えた」。チーム内での戦略の浸透度合いや相手との力関係を考慮し、使用するオプションを絞り込んだという。周囲から「スローペースな戦い方で勝利」と評された国立競技場での同選手権決勝(1月9日/○17−12)については、「(肉弾戦重視の戦いは)戦略じゃなく、タイトなゲームの中で(必然的に)起こった戦術。実際、スタッツ(統計)を見てもラックは5〜6分くらいです」と強調。対する早稲田大がボール争奪局面に「こだわっていない」と見て、その周辺への仕掛けを増やしたと解説した。
新たなシーズンでは、昨秋に挑戦した展開ラグビーの精度を高いレベルに引き上げ、大学選手権でもその戦い方で「圧倒したい」という。主将にはSOやCTBでの活躍が期待される森田佳寿が選ばれた。
(文/向 風見也)