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法大の「今シーズン最高の試合」。2019年へ繋がる最終戦。

後輩たちの奮起を期待して卒業する法大PR土山勇樹。
(撮影/大泉謙也)



 法大の島津久志監督は「今シーズン最高の試合をしてくれました」と感慨深げだった。

 関東大学リーグ戦1部で3勝3敗となった法大は、大学選手権出場を逃し、11月25日の流経大戦が今季のラストゲームに。4年生にとっては、これが学生最後の公式戦だった。

「ミーティングで4年生に『背中で語るように』と言いましたが、背中で語ってくれたことが、この結果につながったと思います。チームとしても、来年につながるような一歩を今から踏み出せました。大きな収穫を得られたことは、大変嬉しく思っています」

 前半30分までスコアは0−14。ここからWTB中井健人のハットトリックなど4トライを挙げ、22−21で勝利。

「『ネバー・ギブアップ』をテーマに戦いました」(法大・HO川越藏キャプテン)

 掲げたテーマを体現する逆転勝利で、リーグ戦成績を白星先行(4勝3敗)にし、2018年シーズンを締めくくった。

 この日“背中で語った4年生”の一人、卒業後はトップリーグでプレーするPR土山勇樹は、プレーをしながら、法大の“新たな一歩”を感じていた。

「試合をしていて、周囲に助けられていることはずっと感じていました。スクラムをたくさん組んで声を出すことできなかった時、3年の中村(翔/スクラムハーフ)がハッパをかけてくれました。学年関係なく全員でラグビーをする、という気質は、これからも受け継がれていくと思います」

 土山が新入生の頃は、「学年関係なく全員で」ではなかった。転機は2016年度だった。

「2年生の時に苑田(右二)ヘッドコーチが来られました。法政の悪い文化をなくそうということで、今年からは4年生も雑用するようになりました。いまは良い文化として、学年関係なく言い合える文化が出来てきたんじゃないかと思います」

 1992年度の大学選手権優勝メンバーで、元日本代表スクラムハーフの苑田HCは、2016年、母校再建のため、神戸製鋼から法大の現場指揮官に就任した。

 それまでは1年生が清掃から食事当番、練習・試合の準備まで、すべての雑用を担っていた。しかし現在は「3、4年生はグラウンドの準備と片付け。食事当番も部屋ごとに学年全員でやります」。年季の入った部員寮も、2016年度に真新しく生まれ変わった。
 
 卒業していく土山は、下級生へのメッセージを求められてこう答えた。

「きついときでも、学年関係なく全員で鼓舞しあって、乗り越えていけるチームになってほしいです」

 法大のリーグ戦優勝は、2004年度から14シーズン、大学日本一は苑田HCが経験した'92年度から26シーズン遠ざかる。芽生えた文化を生長させ、ふたたび大輪を咲かせることができるか。
(文/多羅正崇)







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