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W杯が最後の大仕事。世界最優秀コーチのシュミット、引退へ。「家族が大事」


誰もが認める世界的名将、ジョー・シュミット氏(Photo: Getty Images)


 2018年のワールドラグビー年間最優秀コーチ賞に選ばれた翌日、アイルランド代表のジョー・シュミット ヘッドコーチ(53歳)は、来年のワールドカップ後、退任することを発表した。2013年に就任以来、自ら「私はちょっとした仕事中毒になる傾向があります」と認めるほどハードワークが続いていて、家族との時間を優先したいというのが理由だ。その背景にあるのは息子の健康状態だと考えられている。15歳になった愛息は幼いころから、てんかんに苦しみ、脳腫瘍と戦ってきた。

 ニュージーランド代表“オールブラックス”のスティーヴ・ハンセン ヘッドコーチも来年のワールドカップ後に退任すると見られており、ニュージーランド出身のシュミット氏は以前からオールブラックス次期指揮官の有力候補として名前が挙がっていたが、「私は2019年のラグビーワールドカップを最後に、コーチングを終えることを決め、家族を優先させます」と語っており、黒衣軍を率いることもないだろう。

 徹底的に分析をし、世界屈指の戦術家として知られるシュミット氏は、クラブチームのレンスターを2度(2010-11、2011-12シーズン)欧州王者に導き、アイルランド代表の指揮官となってからはシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)で3度優勝、2018年大会は全勝のグランドスラムを達成した。2016年11月5日にはアメリカのシカゴで歴史的快挙を遂げている。当時、18連勝でティア1国(強豪国)におけるテストマッチ連勝の新記録を樹立したばかりのオールブラックスに挑み、1905年の初対戦から111年の時を経て初勝利をあげた。昨年3月には欧州王者だったイングランド代表の18連勝をストップ。今年6月はオーストラリアに遠征し、39年ぶりに同地でのテストシリーズ勝ち越しを果たし、秋には再び世界ランキング1位のオールブラックスを倒して(ホームで初勝利)、年間11勝1敗という見事な成績だった。シュミット ヘッドコーチ就任時に9位だったアイルランド代表の世界ランキングは現在2位で、来年のワールドカップでは優勝候補に挙がっている。

 そのラグビーワールドカップ2019がシュミット体制アイルランド代表の最後となり、選手、スタッフ、ファン、そして本人も、特別な思いで臨むに違いない。そんなアイルランド代表と、日本代表は同じプールで戦う。

 なお、ワールドカップ後のアイルランド代表のヘッドコーチには、現ディフェンスコーチのアンディ・ファレル氏が就任する。

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