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ジョセフHCが語る2017〜2019年の日本代表。強調したのは「信念」。

日本代表の総括会見をおこなったジェイミー・ジョセフHC(左)と薫田真広強化委員長(右)
(撮影:松本かおり)


 ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは11月27日、都内で薫田真広強化委員長とともに今秋ツアーの総括会見を実施。2019年のワールドカップ日本大会に向け、「引き続きマインドセット、メンタリティの構築に励んでいきたいです」。精神面に関する談話を多く並べた。

 チームは現在、世界ランク11位。10月26日の世界選抜戦を28−31(大阪・東大阪市花園ラグビー場)、11月3日のニュージーランド代表戦を31−69(東京・味の素スタジアム)、現地時間11月17日のイングランド代表戦を15−35(ロンドン・トゥイッケナムスタジアム)、同11月24日のロシア代表戦(グロスター・キングスホルムスタジアム)を32−27とし、1勝3敗で打ち上げ。世界ランク1位、4位の国には効果的な攻撃を見せながらも結果的に惨敗し、ワールドカップの初戦でぶつかる同19位の相手に苦戦を強いられた。

 指揮官は言った。

「現状、信念、どれくらい勝つことに確信を持てているかということですが、あの試合(世界選抜戦)は(前半にリードされながら)ハーフタイムに挽回できた。非常に実のあった経験だと思います。あの試合は引き分けまで持っていけた試合でした。しっかりとしたマインドセットで試合に意気込んで、取り組めているのが明らかになりました。オールブラックス(ニュージーランド代表)戦は苦戦すると思われたが、世界ベストチームからトライを獲れたのはポジティブだと思う。イングランド代表戦はハーフタイムまでリードして最後に逆転されたのが残念でしたが、最後まであきらめない精神を持って戦えたのは評価できる。ロシア代表戦は違ったチャレンジが課された。前週トゥイッケナムという素晴らしいスタジアムで8万人の観客の前で試合をしていたのに、この日はグロスターという町で約3000人の前で試合。フィジカルにコミットするロシアに対し、選手は必死にがむしゃらに勝ちを獲りに行きました」

 ジョセフHCは質疑応答を前に、ここ2年間の歩みを約18分間にわたり述懐。アイルランド代表に2連敗した2017年6月については「判明したのが、選手たちにテストマッチラグビーを戦うだけの力量が足りていないということ」と、サンウルブズの指揮も兼ねた今季については「サンウルブズを私とトニー・ブラウンでコーチングし、選手と密な関係性を築き上げた」とそれぞれ述べる。

 今後は12月17日に第3次ラグビーワールドカップトレーニングスコッドを発表し、来年はスーパーラグビーに参加するサンウルブズ、および若手の日本代表候補勢による強化合宿で選手層拡大を目論む。特にサンウルブズの主力組以外で構成される代表候補群は、東京、沖縄などでキャンプをおこない3月下旬以降に海外でスーパーラグビークラスの相手との試合を実施。その際の指揮官はジョセフHCがおこなうとし、「全選手に高い強度の試合を経験させたい」と訴えた。

 ワールドカップ本番ではロシア代表戦以降、現時点で世界ランク2位のアイルランド代表、同16位のサモア代表、同7位のスコットランド代表と順に激突。対戦相手の分析や本番で発生する重圧への対処など求められる準備内容は多岐に渡りそうだが、「どう勝つか」といった趣旨の質問に「詳細を伝えるにはまだまだ先のことで細かいことは言えない」とジョセフHC。攻撃力に手ごたえがあるとしながら、各カードについて語る言葉は多くはなかった。

「ティア1(強豪国)は総じて体格も大きく、経験値の高い選手が多い。ティア2(中堅国)と対戦時よりボールキープを高めるのが大事。イングランド代表戦ではそう戦った。そしてターンオーバーを食らったり反則をしたりして大きな代償を支払いました。一方、ロシア代表戦はイングランド戦時の3倍ほどキックを蹴り、その相手に勝った。常に戦う内容を調整します」

 個別の選手に関しては「国際レベルに成長。稲垣(啓太)、堀江(翔太)、具(智元)、福岡(堅樹)、松島(幸太朗)も大きな成長を遂げています。さらに若手で付け加えたいのは姫野(和樹)、中村(亮土)です」。7月の暴力事件で謹慎していたアマナキ・レレィ・マフィが国内公式戦への復帰を果たしたことを受けては、「ナキが起こしたことは違う国でのこと。日本代表活動期間中に起きたことではない」ときっぱり。代表に復帰させたい意志をにじませた。

「どの選手もそうですが、日本代表でプレーするということは国を背負ってプレーするということ。だからこそ選手の個性、スタンダードも重んじている。チーム内では高いスタンダード、価値観を持っている。それを守れない選手がいたら、ヘッドコーチとして厳しい判断をしないといけないが、彼に関してはそういう判断をしていない」
(文:向 風見也)

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