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アイルランドが2018年の主役 ワールドラグビー最優秀選手賞はセクストン

2018年の最高チームに選ばれたアイルランド代表のローリー・ベスト主将(右)と、チームメイトで、最優秀選手賞に輝いたジョニー・セクストン(Photo: World Rugby via Getty Images)


 ラグビーユニオンの国際統括団体であるワールドラグビーの年間表彰式が、モナコで現地時間11月25日におこなわれ、シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)で9年ぶりに全勝優勝を果たしたアイルランド代表がチーム・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。アイルランド代表は今年、39年ぶりにオーストラリア遠征シリーズ勝ち越しも果たし、秋には世界ランキング1位のニュージーランド代表をホームで初めて倒して、11勝1敗という好成績だった。アイルランド代表が年間最高チームに選ばれたのは初めてで、欧州勢としては2003年のワールドカップで優勝したイングランド代表以来。

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試合会場でファンの声援に応えるアイルランド代表のジョー・シュミット ヘッドコーチ
(Photo: Getty Images)

 そのチームの指揮官であるジョー・シュミット ヘッドコーチは年間最優秀コーチ賞を受賞した。賢い戦術家、優れたコミュニケーターとして知られるニュージーランド出身のシュミット氏は、2013年に現職に就任した当時ランキング9位だったアイルランド代表を2位まで引き上げた。

 そして、司令塔としてアイルランド代表をけん引するSOジョニー・セクストンは年間最優秀選手賞に輝いた。アイルランド人選手が大賞のプレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは、2001年にキース・ウッドが受賞して以来2人目。2012年から6年連続でニュージーランド代表選手が世界ナンバーワンの称号を手にしていたが、アイルランド代表として84キャップ、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズで6キャップを重ねた33歳のプレーメーカーがついに、最高選手として認められた。テストマッチ通算743得点を記録しているセクストンだが、2月のフランス戦で試合終了間際に決めた約45メートルの逆転ドロップゴールは、今年最も印象的なシーンのひとつだった。

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女子15人制の最優秀選手に選ばれ、取材・撮影に応じるジェシー・トレモリエ
(Photo: World Rugby via Getty Images)

 女子15人制の年間最優秀選手は、今年の女子シックスネーションズで得点王(最多タイのトライゲッター)となってフランスのグランドスラム(全勝優勝)に貢献したジェシー・トレモリエ。昨年の怪我から復活した26歳のFBであるトレモリエは、「世界最高のプレーヤーになりたいと思っていました。それが現実となり、とても嬉しいです。多くの人が何年もサポートしてくれて、私はそれらのすべてに感謝したいです」と受賞の喜びを語った。セブンズでも活躍しており、2016年にはリオオリンピックに出場している。

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最優秀新人賞を受賞し、南ア代表の先輩たちに祝福されるアピウェ・ディアンティ
(Photo: World Rugby via Getty Images)

 最優秀新人賞にあたるブレイクスルー・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは、南アフリカ代表のWTBアピウェ・ディアンティだ。ライオンズの選手として今年初挑戦だったスーパーラグビーで大ブレイクし、6月9日のイングランド戦で南ア代表デビュー初トライを記録。今年のテストマッチ14試合のうち13試合に先発し、9月のニュージーランド戦勝利に貢献した2トライを含め、計6トライを挙げた(2018ラグビーチャンピオンシップで5トライは最多タイ)。

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2020年の東京オリンピックでも活躍が期待されるペリー・ベイカー
(Photo: Getty Images)

 7人制では、アメリカのスピードスターであるペリー・ベイカーが年間最優秀セブンズ選手賞を2年連続で受賞した。32歳のベイカーは2017-18シーズンのワールドセブンズシリーズで30試合に出場し37トライを記録。3月のラスベガス大会では最多の8トライを挙げて地元での優勝に貢献した。

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女子セブンズ最優秀選手のミカエラ・ブライドは、来春の北九州セブンズで見られるはず
(Photo: Getty Images)

 女子の最優秀セブンズ選手賞も2年連続でニュージーランドのミカエラ・ブライドが受賞。22歳のブライドは、7月にサンフランシスコでおこなわれたワールドカップ・セブンズで最多の9トライを挙げて得点王となり、チームの2大会連続の優勝に貢献。4月にはコモンウェルスゲームズ(英連邦総合競技大会)で活躍し、金メダルに輝いた。

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世界のトップレフリーと認められたアンガス・ガードナー レフリー
(Photo: Getty Images)

 年間最優秀レフリーは、アンガス・ガードナー レフリー。試合中はもちろん、フィールド外でもコミュニケーション力が高く評価される34歳のオーストラリア人レフリーは、今年初めてスーパーラグビー決勝で笛を吹くなど重要な試合を任された。

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アワード・フォー・キャラクターを受賞したドディー・ウェアー氏
(Photo: World Rugby via Getty Images)

 そして、元スコットランド代表のドディー・ウェアー氏にキャラクター賞が贈られた。昨年6月に、筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患と診断されたウェアー氏は、「My Name'5 Doddie」という名前の財団を設立し、病気の研究のための資金を集めたり、啓発活動などをおこなっている。11月3日にはドディー・ウェアー カップとして、カーディフでウェールズ代表×スコットランド代表の試合がおこなわれた。

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スピリット・オブ・ラグビー賞を受賞したジェイミー・アームストロング氏(左)
(Photo: World Rugby via Getty Images)

 また、トラスト・ラグビー・インターナショナルというスコットランドの慈善団体の設立者であるジェイミー・アームストロング氏にスピリット・オブ・ラグビー賞が授与された。同団体は、ラグビーを通じて個人と地域社会を結びつけることを目的とし、障がいがある人も健常者も一緒になってラグビーをしようという活動をしている。デベロップメント・ディレクターを務めるアームストロング氏が中心となって結成されたザ・クランというチームでは、恵まれない若者も一緒になってラグビーを楽しんでいる。

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選手協会の特別賞を受賞したスティーブン・モーア氏(左)とDJ・フォーブス氏
(Photo: World Rugby via Getty Images)

 そして、ラグビーユニオン選手協会の共同ディレクターを務め、昨年末に引退した元オーストラリア代表主将のスティーブン・モーア氏と、元7人制ニュージーランド代表主将で、同国ラグビー選手協会の中心メンバーとして選手の福利厚生向上や女子セブンズの発展などに貢献したDJ・フォーブス氏に、選手協会の特別優秀賞が贈られた。

 トライ・オブ・ザ・イヤーには、8月18日にシドニーでおこなわれたオーストラリア対ニュージーランド戦でブロディー・レタリックが挙げたトライが選ばれている。


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