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ジャパン、W杯開幕戦の相手、ロシアに辛勝。ツアー最終戦は消化不良。

思うようにプレーできなかった日本代表。写真はCTBラファエレ ティモシー。
(撮影/出村謙知)



 開始18分の間に3PGで9得点。
 21分にはインターセプトからトライを奪い(コンバージョンキックも決まり)16-0に。前半を終えたときのスコアは22-10とリードした。
 主語はロシアだ。
 11月24日に英国・グロスターでおこなわれた日本代表×ロシア代表のテストマッチ。ツアー最終戦を快勝で終えたかったジャパンは、来年のワールドカップ開幕戦で対戦する国を相手に苦戦した。


 前半、意思統一で上回ったのはロシアだった。
 SHワシリー・ドロフェーフからのキックで前に出る。早い出足のディフェンスで圧力をかける。ブレイクダウンでハードにバトルもした。その戦い方にジャパンが封じ込められた。
 サクラのジャージーは何度も反則を取られた。ボールを失った。その結果、失点が重なる。得点は25分のPGと、31分にFLリーチ マイケルがPKからの速攻で奪ったトライ+コンバージョンキックの計10点のみ。ジャパンらしさは少しもなかった。


 ハーフタイムを経て入った後半。ロッカールームでの修正指示が出たか、敵陣でゲームを進めることを優先したジャパン。それが奏功し、ペースを掴んだように見えた。
 後半3分過ぎ、WTB福岡堅樹の出足鋭いタックルからターンオーバー。そのボールを大きく動かし、最後はチャンスを作った福岡がインゴールの左スミに飛び込んだ(コンバージョンキックも決まり17-22と迫る)。
 15分にはラインアウトから攻め、ブレイクダウンからNO8ツイ ヘンドリックが持ち出して長い距離を走り切る。コンバージョンキックも決めて24-22と逆転した。


 少しずつ落ち着きを取り戻したように見えたジャパン。しかし、ロシア代表SOラミル・ガイシンの巧みなキックに翻弄されたのは後半19分だった。キックの蹴り合いが続いた後、ガイシンはふたつのキックパスを見事に通してトライを奪う。ジャパンは24-27と再びリードを奪われた。
 ただ、ラスト20分はテンポと運動量でジャパンが上回った。
 途中出場のSH流大、SO田村優が流れを作り、残り10分強のところで27-27の同点に。後半31分にはラインアウトからボールを大きく動かし、フェーズを重ねた。
 最後は田村の転がしたグラバーキックをリーチ主将がキャッチ。インゴールに入って32-27と勝ち越した。


 勝利は手にしたけれど、ロシア代表のキックとFWによる圧力を受けて目指すスタイルをほとんど示せなかったジャパン。可能性を探るメンバー構成だったとはいえ、ヨーロッパ予選の混乱の末に繰り上がり出場を決めた相手を圧倒できなかったことに不安は残る。
 ワールドカップで戦う相手に、ジャパンがパワーで上回ることができる国がいないのはあらためて分かった。ラクに勝てる相手がいないことも。
 ロシアの情報を多く得られたことだけが収穫の、スッキリしない勝利だった。







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